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特集 ヘアケアのプレミアム化が業界を変える 第8回 / 全9回

ファイントゥデイ初の新ヘアケアブランドは“本質志向”を訴求

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ファイントゥデイ初の新ヘアケアブランドは“本質志向”を訴求

ドラッグストアのヘアケア売り場は大手企業の寡占状態にあったが、ここ数年で大きく様変わりした。
その遅れを巻き返すべく、2024年は各社がプレミアム市場に本格的に参入し、シェア奪還に挑む。
(この記事は「WWDJAPAN」2023年11月27日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)

ファイントゥデイ

活況の市場で“本質志向”を訴求する

ファイントゥデイ(FINE TODAY)は同社初の新ヘアケアブランド「プラストゥモロー(+TMR)」を立ち上げた。1500円前後の高価格帯ヘアケア市場に参入するのは初。ポートフォリオで空白だったプレミアムヘアケア市場で勝負をかける。

これまでのヘアケア事業は「ツバキ(TSUBAKI)」と「フィーノ(FINO)」を主軸に置いていた。「ツバキ」は、ヘアケア市場の変化に対応しきれず苦戦していたが、昨年の9月に発売した1000円台の最高峰シリーズ“黒ツバキ”が呼び水になり、休眠顧客の掘り起こしに成功。売り上げは計画を上回って着地した。さらにはベーシックシリーズの“赤”と“金”にも波及効果をもたらし、低迷の時期を乗り越え堅調に推移。11月には、ニコライ・バーグマン(Nicolai Bergmann)とコラボしたパッケージがユーザーの情緒に響き、ブランド全体に追い風が吹いている。

一方の「フィーノ」は、インバスのトリートメントマスクとアウトバスのトリートメントオイルの2SKUで勝負しているブランド。トリートメントマスクはインバストリートメントの中で売り上げNo.1(インテージSRI+インバストリートメント市場 22年7月〜23年6月金額シェア ブランドラインランキング)を誇り、インバウンド客からの支持も厚い。ヘアオイルが登場したときは、発売前に話題になり、発売初月でシェア計画比200%と好調な滑り出しを切った。

「ツバキ」と「フィーノ」に加え、ヘアケア市場の中でさらに存在感を高めるためには、ポートフォリオで空白の1400〜1500円のプレミアムな価格帯に参入すべきと「覚悟」を決め、新ブランド「プラストゥモロー」を立ち上げた。赤阪裕実ファイントゥデイ日本事業本部ブランドコミュニケーション部IMCGマネージャーは、「2ブランドで学んできた美意識や情緒的価値を生かし、ヘアケア市場を一段階押し上げる存在になれると考える。今あるニーズではなく、潜在的なニーズは多い。そこを捉えなければ市場は活性化しない。われわれが市場をリードし、お客さまに還元していきたい」と意気込む。

来年の全国発売に先駆け、アットコスメ(@cosme)では先行販売しているが、コンセプトやパッケージなど情緒的な側面を理解してくれる声が多いという。SNSをメインにコミュニケーションを図り、ポップアップやイベントでタッチポイントを増やしながら、ブランドならではの体験価値を提供する。

コロナ禍の影響で消費者の美容への意識が一段と高まったが、「ニーズが変わったのではなく、行動が変わったと考える。時間が有限ではないことに気づき、今しかできないことに行動を起こす人が増えているように感じる。自分がやりたいことを見極め、自分にとっての本質に向き合う様になっている」と分析する。同社によると、昨年と今年を比較した際に、見た目よりも商品の成分や中身に対する興味・関心は21%高く(ファイントゥデイ調べ)なっている。「ヘアケアに関しても本質的な価値追求意識は強くなっていくと考える。複雑さを助長するのではなく、よりシンプルに選択できるように原点回帰が必要になるだろう」と話す。

今年は、「スピード感を持って」市場をリードできる製販一貫の体制が整った。「『プラストゥモロー』が加わり、われわれのポートフォリオ戦略が市場に対しても、お取引さまにとってもクリアになり、好循環が生まれることを期待したい」。

TOPICS

「ツバキ」がニコライ・バーグマン
とコラボ

「ツバキ」はフラワーアーティストのニコライ・バーグマン率いるブランド「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン(NICHOLAI BERGMANN FLOWERS & DESIGN)」とコラボし、“プレミアムEX”シリーズから限定パッケージを11月8日に数量限定で発売した。ホリデーシーズンの高揚感を鮮やかに彩るデザインを採用し、“艶やかな美”で特別感やぜいたく感を演出する。

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