ヘアサロン「フラワーズ(FLOWERS)」の別ブランドとなる「オトペ(otope)」が9月30日、東京の表参道にオープンした 。同店の代表を務めるのは、人気美容師の浦さやかディレクターだ。
浦代表は2005年、「フラワーズ」にオープニングメンバーとして参加 。 以降、数々の雑誌の撮影やセミナー、ヘアショーを行うなど、ヘア業界を代表する女性美容師の1人。「オトペ」のオープンとともに同店の代表を務めつつ、これまでと同様に「フラワーズ」のディレクターも兼任する(ただし勤務は「オトペ」のみ)。
「以前から自分でサロンをやりたいと思っていて、『フラワーズ』が設立10周年を迎えるのと、若手スタッフが育ってきたこのタイミングで、別ブランドとなる『オトペ』を出店することになった。これまで『フラワーズ』の撮影は私が多くやっていたので、私の世界観=『フラワーズ 』というイメージが 強くなってきた。若手スタイリストが育ってきた中で、それだと少し偏りもあり、サロンとしてもより幅広いイメージを打ち出す必要があった。私としても、もっと自分の世界観を表現したいと思っていたので、いいタイミングだった。独立ではないので、『フラワーズ』のディレクターとして、今まで通りスタッフへのカットレッスンなどは行う。それもあって、『フラワーズ』の近くに出店した」と語る。
店名の「オトペ」は擬声語・擬音語を意味する「オノマトペ」に由来する。「もともと擬音が好きだったこともあり、そこから『オノマトペ』という言葉を思いついた。ただ、そのままだと面白さもなく、響きもしっくりこなかったので、そこから3文字とって、覚えやすくて響きもかわいい『オトペ 』にした」。
アートギャラリーを意識したという白を基調とした内装に、カラフルなイスや浦代表の私物である写真集やマンガ、雑貨などがディスプレーされている。「美容室というよりも、私の家に近いかも。美容室はこうあるべきという固定観念にとらわれず 、居心地の良さも考えながら 自分の好きなテイストにした。床や壁などの塗装も自分たちでやったところも多く、オ—プン前日の深夜まで準備がかかったが、その結果こだわりの内装に仕上がった」。オープニングスタッフは4人で、スタイリストは浦代表1人。セット面は4面でシャンプー台は2台。場所もアパートの1室なので、サロン内はアットホームな雰囲気だ。
ここ数年、別ブランドを展開するサロンが増えてきた。それは多様化する顧客のニーズに対して、1ブランドだけでは対応するのが難しくなってきていることが要因の一つ。いくつかのブランドを展開し、組織としてさまざまなイメージを打ち出すことで、より幅広い層へアピールできる。また、別ブランドを作ることで、独立しなくてもスタッフが店を持つことができる。独立するのが当たり前とされていたヘア業界において、そうして人材が残ることは、組織としての強さにつながっていく。
これまで独特の個性で多くの人を魅了してきた浦代表だけに、その世界観が存分に、表現された「オトペ」の今後に注目したい。
■ヘアサロン「オトペ(otope)」
住所:東京都港区北青山3-8-3 201
TEL:03-6712-6046