アシックスは、2026年12月期を最終年度とする中期経営計画を策定し、営業利益800億円以上、営業利益率12%前後の目標を掲げた。売上高は年平均成長率7〜10%を目指す。為替相場によって変動するが、仮に23年度の売り上げ見込み5700億円から算出すれば、2026年12月期は売上高6982億〜7586億円の見通しとなる。
主力のパフォーマンスランニングでカテゴリー利益500億円以上、カテゴリー利益率20%以上を目指す。安価なエントリーモデルの商品構成比を下げ、高付加価値のシューズ率を高めることで、利益体質を強化する。また、トップランナー向けの“メタスピード”シリーズなどを開発してきた、社長直轄の開発プロジェクト“C-Project”も継続し、国内外のレースで“勝てる”シューズを作る。
ランニングシューズは、2025年までに日本と米国、欧州でのマーケットシェア1位も掲げる。現在のシェアは日本が26%、欧州が25%、北米が9%で、それぞれ33%、29%、25%まで引き上げる。「特に北米については引き続きテコ入れが必要だが、足元のシェアは11%まで上がってきた。なんとしてでも1位を達成する」と廣田康人社長。
ブランド体験価値の向上にも努める。同社はこの3年間、“ランニングエコシステムの構築”を掲げて、レース登録会社の買収やアプリを軸とするトレーニングサービスの拡充など、さまざまなシステムに投資してきた。来年1月1日付で社長COOに就任する富永満之・常務執行役員CDO・CIOは「ここ(ランニングエコシステム)に目をつけて先行投資している競合他社はない。これらを軸にしてランナーにとってのインフラとなり、圧倒的なブランド力を構築していく」。