タカラベルモントのアップサイクルプロジェクト“リボニス(Re:bonis)”と、大阪・西成発のファッションブランド「ニシナリヨシオ(NISHINARI YOSHIO)」は、初の協業プロジェクトを実施。タカラベルモントの拠点であるティービースクエア オオサカで、企画展“最後のオプション”を開催した。
“西成のおばちゃんたち”のアイデアから生まれた同ブランドのアイテムに、タカラベルモントのプロフェッショナル用椅子の製造過程で生じる廃棄レザーを活用したTシャツやパンツなど16点を制作。企画展では、「ニシナリヨシオ」を立ち上げた東京藝術大学准教授の美術家・西尾美也氏と、制作活動拠点である西成区の“kioku手芸館たんす”を運営し、地域発の創造活動を展開する一般社団法人ブレーカーコレクティブ代表・松尾真由子氏をゲストに迎えたトークショーを実施。展示作品をお披露目するミニファッションショーも開催した。
タカラベルモントは“人と地球の「らしさ」輝く社会をつくる。”をサステナビリティポリシーに掲げている。西成は創業の地であり、現在も工場が位置する同社のものづくりの重要拠点。本企画展・イベントは、SDGs12(つくる責任つかう責任)を推進し、“リボニス”の活動を通じて地域社会へ貢献していきたい、という思いから企画した。
トークショーで西尾氏は、今回の企画を受けた理由について「『ニシナリヨシオ』の活動でも使わなくなった端切れを商品に再利用することをしていたので、“リボニス”の廃材をアップサイクルするという活動に共感する部分が大きかった」と明かした。また、松尾氏はレザーを使った作品作りについて「普段使う生地と違うので、最初は『縫えるかな……』と思ったけれど、いい作品ができた」と振り返った。
ミニファッションショーでは、タカラベルモント大阪工場の従業員4人がモデルとなり、工場の作業着を土台に制作した上着やパンツ、工場の職人のものづくりに対する一言を刺繍した、まさに“背中で語る”ベストといった作品を着用して登場。西尾氏は、今回の企画によって「ニシナリヨシオ」のアイテムを作る地域のおばちゃんたちと、タカラベルモントの従業員に今までにないつながりが生まれたことに触れ、「ファッションは、対話のきっかけになっていくものであるべきだと思っている。つながりがこうして作品になり、いろいろな人の共感を得て、つながりの輪が広がってよりよい社会になっていけば」と話した。