群馬でめっき業を生業にする日東電化工業はこのほど、敏感肌向けスキンケアブランド「オサジ(OSAJI)」の企画・販売事業を吸収分割の方式で分社化し、新会社OSAJIを設立した。OSAJIは、11月28日に丸紅および群馬銀行の投資専門子会社であるぐんま地域共創パートナーズ(以下、GRASP)が運営するファンドを通じて、資本業務提携を結んだ。第三者割当増資を実施し、構成比や取引金額は非公表。OSAJIの社長は、ブランド創立者の茂田正和「オサジ」ブランドディレクターが兼任する。
資本提携により、直営店の出店を加速するほか、アジアを中心に海外展開を推進。開発生産体制の増強として群馬県内に開発生産拠点の設立を検討する。また、GRASPの持つ群馬県の地域ネットワークを活用。地元企業や行政との連携や協調を行い、地銀を介した地域産業振興のモデルケースとなることを目指す。
茂田OSAJI社長兼ブランドディレクターは、「単に経済成長を求めるものではなく、人を良く、社会を良くする事業活動を充実させることの先に、ブランドの成長があることを3社で合意した。より本質的なブランドとして多くの方に喜んでいただける確信に至ったため、今回の資本提携を決意した」とコメントを寄せた。
「オサジ」は、2017年に誕生。日本的なデザインや原料処方を取り入れ、消費者の課題や使用シーンに合わせた商品開発を行う。21年に東京・蔵前にホームフレグランス調香専門店、22年に神奈川・鎌倉にレストランensoを併設する複合ショップをオープンした。
丸紅は新しいビジネスモデルの創出を図る次世代事業開発本部を19年に立ち上げ、ヘルスケア・メディカル、次世代社会基盤、ウェルネスの各領域で事業開発や投資を進める。ウェルネス領域では、アジアの次世代消費者をターゲットとしたビューティ関連分野での事業開発を追求していく方針。その一環で、21年にパリ発のオーガニックコスメ「シゲタ パリ(SHIGETA PARIS)」を手掛けるSHIGETAと資本提携を結んだ。