ビューティ賢者が
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ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。
今週は、マーケティング視点から見た香水の話。
槇野光昭/オニカム代表 プロフィール
(まきの・みつあき)1973年、東京都生まれ。大学卒業後、パソコン周辺機器メーカーで営業に従事。退職後の97年「価格.com」の前身となるサイトを開設。2001年、28歳という若さで会社を売却。その後、14年にヘアサロン「アルバム(ALBUM)」を開業。都心を中心に「アルバム」「アイティー バイ アルバム(IT by ALBUM)」「DXシェアサロン」などを展開する
【賢者が選んだ注目ニュース】
今回ピックアップした記事ではないけれど、2024年春夏コレクションのヘア&メイクアップをレポートした記事を興味深く拝見した。それを見て思ったのは、こういった記者の主観が入った記事も面白いけれど、ブランドごとにモデルがどんな髪型・髪色・メイクアップをしていたかを調べてデータベース化しても面白いのでは、ということ。そうすれば、誰もが納得する“客観的なトレンド”を導き出すことができる……。
そんな感じで、何事も分析・マーケティング目線で見てしまう私なのだが、今回は香水についてマーケ目線で語らせてもらいたい。というのも、私は以前から“香水はブランディング競争の頂点”だと思っており、「オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー(OFFICINE UNIVERSELLE BULY、以下、ビュリー)」の日本での展開を見て、それを確信したからだ。
なぜ“頂点”なのか。そもそも日本市場には、おしゃれに自信のない人が多い、と考えている。日本人はまわりを見て正解を探している。よくZ世代を語る文脈で「トレンドに左右されず着たい服を着る」などと言われるが、それはおしゃれに自信のあるごく一部の層で、大半はそうではない、と感じている。ラグジュアリーブランドのアパレルは、“ブランドロゴ”という見える形で“おしゃれの太鼓判”を押してくれるので、自信のない人にとっては「それで正解ですよ」と言ってもらっているようなものだ。
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