コロナ禍で改めてセルフネイルに注目が集まるようになった。植物由来の成分で作るパリ発のヴィーガンネイルブランド「マニキュリスト(MANUCURIST)」は、動物実験を行わないクルエルティフリーで生産過程にもこだわり、ファンも多い。タカラベルモントが展開する「ノイロ(NOIRO)」は、2019年に誕生したネイル・ハンドケア総合ブランドで、プロユース、速乾、トリートメント成分inが特徴。全40色と豊富なカラーバリエーションでヒットしている。ディー・アップが展開する「トーンドロップ」は、塗りやすさ・肌映り・速乾性とモチの良さにこだわり、支持を集めている。これらベスコスでも支持を集めるネイル3ブランドに23年上半期の人気カラーを振り返ってもらった。
――― 23年上半期に1番売れたカラーは?
岩田真季「マニキュリスト」マーケィング・PR:“グリーン ナチュラル ネイルカラー コズミックローズ ”(15mL、2970円)。昨年1番人気だった“グリーン ナチュラル ネイルカラー ゴールド”(15mL、2970円)と比べて2倍以上の売り上げを誇っている。不動の人気No.1の“ポリッシュリムーバー”(100mL、3190円)と同じ点数を売り上げた。
一度塗りでもきれいな発色でムラなく塗りやすい点。また、ピンクがかったシルバーなので、グリッターなのに派手すぎず肌なじみが良いと好評だ。店舗やポップアップストアでの売り上げが好調で、実際にテスターを試した顧客がその発色や塗りやすさに驚かれることが多い。
川合未来タカラベルモント 化粧品マーケティング部ネイル担当:「ノイロ」は、繊細なパール、透け感、塗りやすさが支持されている。“S048”(11mL、1980円)は、発売1か月半で目標数達成した。
“S048”を含むコレクションは、ようやく人とたくさん会ったり遠出ができたりする雰囲気が出てきていたので、春を楽しむ気持ちを応援できるような優しい色味を目指した。消費者の気分に合致した結果だと思う。その中でも指先をきれいに見せてくれる、つける人を選ばない青みの落ち着いたサクラカラー“S048”が特に年代を超えて評価を得た。
篠原緑ディー・アップ マーケティング部 商品開発:6月んから販売する“マグネットネイルポリッシュ”(10mL、各1650円)のシリーズ。4色のラインアップすべてが人気となり、発売から約2週間弱で限定数を完売した。ネイルポリッシュの中に特殊な“マグネティックパール”を配合し、ジェルネイルで人気のマグネットネイルを、ネイルポリッシュで手軽に楽しめる点が支持されている。
LEDライトが不要で、通常のリムーバーで簡単にオフできる手軽さが、多くの顧客に喜んでいただけた。この製品は、爪に塗ってすぐに付属のマグネットスティックを近づけると、繊細なパールが磁力に反応して、魅惑的な陰影と奥行き感を楽しむことができる点が最大の特徴だ。マグネットの当て方でパールの反応の仕方も変わるので、自分だけのネイルデザインを楽しめる点も、セルフネイラーの探求心をくすぐるポイントだったのではないかと考える。
―――新色はどのようなプロセスを経て決定されるのか?
岩田真季「マニキュリスト」マーケィング・PR:フランス本国で新色が決定される。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「プラダ(PRADA)」などのラグジュアリーブランドで経験を積み、微妙な色の違いに強いこだわりを持つ創業者のガエル ルブラ ペルソナージュ氏を中心に本国チームがファッション・映画・アートなどから影響を受けてストーリーを構築していく。この為、必ずストーリーと共に色が生まれる。トレンドカラーのみから決定するコレクションではないため、オリジナリティあふれるカラーラインアップとなっている。
篠原緑ディー・アップ マーケティング部 商品開発:シーズンごとのトレンドカラーを意識しながらも、手肌を美しく魅せることができる「肌映りの良さ」を考慮しながら色開発を行っている。また、重ねることで奥行が出るような透け感のある発色や、みずみずしいツヤ感など、テクスチャーにもこだわっている。色選びを楽しんでいただきたいという想いから、毎回色ごとにボトルラベルのデザインを変えている点もポイントだ。
また、ポリッシュだけでなくセミジェルネイルも好調だ。トータルハンドケアブランド「テモ(TEMOT)」は、自宅で楽しめるシール型ジェルネイルを2023年3月より発売。展開するソワンPR森瑞貴氏は「23年7月は、6月比で40%程度売り上げが伸長している。17種類のデザインが揃い、いちばん人気は、ブラウンのマーブル柄“floodwood”(TOP GELのみの価格、3278円)だ。サロンで施術を受けるよりも安価で、専用ネイルパウダーやトップジェルを使うことで、デザインをアレンジできる点も支持されている。