スウェーデン・ストックホルム発「バイレード(BYREDO)」はファインジュエリー事業に参入し、ファースト・コレクション“ヴィラサート(VIRASAAT)”を、パリ旗艦店で11月30日に先行発売した。2024年1月25日、世界中の旗艦店で販売を開始する。
“ヴィラサート”はヒンディー語で“継承”の意味。イタリア製のネックレスやブレスレット、指輪、イヤリングをそろえる。丸みを帯びた真珠形のパーツと、棒状のパーツを組み合わせたデザインだ。価格帯は350ドル(約5万円)〜2万7000ドル(約394万円)。
バイレードは、仏ジュエリーブランド「シャルロット シェネ(CHARLOTTE CHESNAIS)」とコラボレーションしたラインを20年にローンチした。創業者兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーのベン・ゴーラム(Ben Gorham)は、「コラボを通して、貴金属でどういったものが作れるのかを学んだ」と話す。今回のローンチについて、「私はジュエリーを、記憶や文化的なバックグラウンドと結びつけて捉えている。インド出身の母親や祖母の影響が大きく、ジュエリーは代々受け継ぐものだという感覚が強い。時代にとらわれない製品を作りたいという思いがあり、それはフレグランスや化粧品よりもジュエリーの方が相性は良いだろう。ローンチまでには時間がかかったが、仕上がりに満足している」と続ける。
また、「私の家庭内だけを見ても、女性は直感的にジュエリーと触れ合う傾向がある。人々が瞬間的に、ジュエリーピースへの思い入れを持てるのは素晴らしいと思う」とゴーラム創業者兼チーフ・クリエイティブ・オフィサー。アメリカやカナダで育った彼にとっては、西洋文化も着想源の一つだ。「90年代はヒップホップから大きな影響を受けた。今もヒップホップは、ジュエリーの魅力を伝え続けている」。
将来的には宝石をあしらったジュエリーも検討しているというゴーラム創業者兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーは、「宝石はそれ自体が“アート”だと気づいた。次のステップとして、宝石に関する理解を深めたい」と話す。なお、06年の設立から香水だけのブランドにするつもりはなかったといい、現在はレザーグッズやアイウエア、メイクアップ商品も展開する。「ブランドのスタートから、好奇心と文化的探究心は尽きることがない。“進化を続ける”という考えにコミットする社風を持ち、これだけの成功を収めてもなお、社員の一人ひとりが前進し続けるモチベーションを保っていることを誇りに思う」と語った。