「レオン」読者が全国各地で、多種多彩に、さまざまなラグジュアリー消費を楽しんでいる。石井洋「レオン」編集長はその様子を「『レオン』経済圏が確立し、拡大しつつある」と表現。その立役者は、ユーザーと共に“大人を楽しみたい”と願い揃えたアセットを駆使するプロジェクトの「ONE LEON」と、中でもエンゲージメントの強さが印象的な会員コミュニティーの「Club LEON」。アフターコロナの今年は、石井編集長と堀川正毅編集長代理、近藤高史副編集長の3人を中心に「ほぼ毎月のペース」でイベントを開催し、参加者やクライアントとの絆を深めた。
中でも「Club LEON」は地方でのイベント開催に積極的で、多くの新たなファンと繋がった。今年は4月に広島で「LEONゴルフ&パーティー」を、6月に神戸で「LEONメリケンNight」を、7月には東京で「DISCO LEON」を開催。年末には恒例イベント「NOËL LEON」を大阪で開催して一年を締めくくる。食の知的体験を提供する「LEON’s ガストロノミー」や、ビジネスでもモテるを目指した「LEONビジネスサロン」などの中・小規模イベントも開催した。元来「誌面で紹介するスタイルを楽しむ場所がないからと始めた『LEON ナイト』」(石井編集長)をさまざまな趣向を凝らして四季折々、全国津々浦々に広げている。
ラグジュアリーを楽しんで消費してもらいたいから、イベントでは必ずドレスコードを設定。ECの「買えるLEON」では、「ドレスコードに即した品揃えを強化」(堀川編集長代理)する。すると参加者は、購入した商品に身を包み、華やかな会場で、「レオン」らしいエンターテインメントを堪能して、ますます虜に。こうして「レオン」経済圏が生まれ、広がっていく。「掲載商品が売れるか?大きな反響があるか?は常に考えている」という「レオン」のイベントだからこそ、開催前には「買えるLEON」で、イベント当日は会場で、開催後にもゲストにとって便利な手段で商品が売れる。結果、「花も、実も取りたい」(石井編集長)クライアントからの支持も高い。年末の「NOËL LEON」では、イタリアのラグジュアリーブランドからハイエンドなウオッチメゾンまで、そうそうたるクライアントが協賛する。
「ラグジュアリーな世界観の中に、エンターテインメントと『モテたい』という本音を持ち込んで、楽しんでいただく」という「レオン」経済圏は、クライアントとのタイアップでも変わらない。例えば秋に「カルティエ」と開催した阪急メンズ大阪でのイベントでは、招かれた「Club LEON」会員がパートナーに贈るショートムービーを撮りたいとリクエスト。石井編集長は急きょムービーにゲスト出演した。そのClub LEON会員はパートナーのLINEに動画を送りつつ、ジュエリーは彼女の枕元に。起きるとサプライズプレゼントと動画が待っていた!という演出だったが、パートナーは、「『レオン』みたいにとってもロマンチック」と喜んだ。「やんちゃ」な遊び心に溢れた編集部と「Club LEON」会員とのエンゲージメントは強い。こうした熱烈なファンは現在、全国各地に広がっている。
全国各地で多種多様なイベントの価値を体感して心がけているのは、「従来のマスコミとは違う、もう少しパーソナル」な関係性だ。石井編集長は、「モノが売れるは、『レオン』の生命線。飽きずにファンであり続けてもらうには、会いにいき、楽しんでもらい、『信じてよかった』と体感してもらうのが一番。そんな実感は、雑誌の売れ行きや掲載商品の反響へと還元されていく」と考えている。
「会いにいき、楽しんでもらう」では今年、大人のマリンアイテムを手掛ける「ムータ・マリン」と、ウェイクサーフィン専用ボート「センチュリオンボート」とのトリプルコラボで3700万円超えのボードを2艇販売。進水式には石井編集長とパンツェッタ・ジローラモが駆けつけた。3人は、「ときどきファンとの距離が近すぎるかも?と思うが(笑)、誌面の人とイベントで交流できて、イベントで知り合った人が誌面に登場することでエンターテインメント性はもちろん、媒体やイベントへの信頼感も高まっている」と分析。もはやファンとはファミリーのような存在ではあるが、メディアならではの信頼があるからこそ、彼らには強い思いでラグジュアリーな消費を薦めることができる。「羅針盤のような存在」(石井編集長)であり続けるためにも、誌面からウェブ、イベントまで、いずれのアセットも必要不可欠だ。また誌面に登場して、イベントに登壇するだけが「レオン」の編集部員ではないという。中には今後不動産プロジェクトを進めるために「宅地建物取引士」の資格を取得したり、「買えるLEON」の広告運用を契機にウェブマーケティングのノウハウを蓄える編集部員も存在する。「大人って楽しいを多面的に提供する」ために石井編集長が目指した「編集者2.0」は着々と育っている。
イベントでは、地方のパワフルな読者の存在も再認識した。近藤副編集長は、「地元でパワーを持っている方々は、集客から演出に至るまでイベントをサポートしてくださるし、連帯感の原動力になってくれる。各地のアンバサダー的な人とのコミュニケーションも深めたい」という。そんなパワフルなファンからは常々、「『レオン』を通じて、もっといろんな世界を見たい」というリクエストを受け取っているようだ。そして、各地にはかつての「レオン」読者のように、「きっかけがあれば、ラグジュアリーな消費を楽しめる方がいっぱい存在する」。「レオン」経済圏は、全国に、そしてファッションや時計・宝飾、車、グルメ以上に広がっていく。
「レオン」(主婦と生活社) DATA
【雑誌】創刊:2001年9月 発行部数:7万部
【ウェブ】月間総UU:180万 月間PV:900万(2023年10月時点)
【SNS】X:1万7000 IG:12万2000 FB:4万7000 LINE:25万1000(2023年10月時点)
主婦と生活社「レオン」編集部メディアビジネス事業室
03-3563-5135