大手専門店の2023年11月度の既存店売上高は、おおむね前年同月を上回った。前半は高温で苦戦したものの、後半は気温の低下に伴い、アウターや防寒衣料に動きが出た。
中でも好調だったのがユニクロだ。国内ユニクロの売上高は10.0%増と3カ月ぶりに前年同月を上回った。既存店客数も6.0%増と8カ月ぶりにプラスに転じた。11月後半から毎年恒例の大型セール「感謝祭」を実施し、ヒートテックやフリースなどの防寒衣料が活発に動いた。また「アニヤ・ハインドマーチ」や「ちいかわ」といった話題性のあるコラボ商品の発売も「売り上げをけん引した」(同社広報)という。
「無印良品」を運営する良品計画も売上高は22.6%増と大幅に伸びた。11月6日まで実施した会員向けセール「無印良品週間」が寄与した。ただ全体をリードしたのは、スキンケアやキッチン用品などの生活雑貨部門で売上高は38.0%増。それに比べると、衣料・雑貨部門の売上高は8.4%増と控えめだった。
しまむらの「ファッションセンターしまむら」は20日締めのため、高温の影響を受け、売上高は4.3%増にとどまった。こちらも創業70周年のセール「大創業祭」が好調で、アウターや肌着がよく売れた。
アダストリアの売上高は6.2%増だった。ニットや暖かい素材のパンツが男女共に人気で、「グローバルワーク」「ニコアンド」「スタディオクリップ」など主力ブランドに貢献した。
ユナイテッドアローズの売上高は18.2%増と高い伸び率だった。販促キャンペーンが奏功し、アウター、マフラー、手袋など冬物の動きが本格化した。客数も13.1%増と大幅な伸びで、4カ月ぶりにプラスに転じた。