イタリアのシューズブランド「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)」は12月5日、新たな最高経営責任者(CEO)として、「アニヤ・ハインドマーチ(ANYA HINDMARCH)」のグローバルCEOなどを務めていたヘレン・ライト(Helen Wright)が就任したことを発表した。5月にリカルド・シュット(Riccardo Sciutto)前CEOが退任してから、最高執行責任者のポール・コルヴァ(Paul Kotrba)が暫定的に後任を務めていた。
ライトCEOは、「『セルジオ ロッシ』の一員となることを大変うれしく思う。1951年に創業した伝統あるブランドをさらに活性化させるために新ビジョンを掲げ、新たな顧客を開拓する必要がある。過去から良いインスピレーションを得て、明るい未来を築いていきたい」と述べている。今後は持続可能な成長の実現に向け、ステークホルダーや主要なビジネスパートナーと共に同ブランドのグローバル戦略を主導する。北米やアラブ首長国連邦、日本、中華圏などの主要な市場でさらなる成長を目指す。
オーストラリア・シドニー出身のライトCEOは、同国の百貨店グループ、デビッド・ジョーンズ(DAVID JONES)で小売、運営、商品管理の分野でキャリアをスタート。10年にわたって経験を積んだ後、1999年にロンドンに拠点を移し、「ラルフ ローレン(RALPH LAUREN)」でヨーロッパの小売・マーチャンダイジング部門の立ち上げと運営に5年間携わった。以降、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)が擁する「フェンディ(FENDI)」ではヨーロッパ・中東・インド地域の責任者を、「カール・ラガーフェルド(KARL LAGERFELD)」ではグローバル・バイス・プレジデントを務めた。2015年には「アニヤ・ハインドマーチ」のグローバルCEOとして、流通やマーケティングチャネルへの投資を行ったほか、さまざまな成長戦略を実行した。18年からの3年間は、イギリス発のアウターウエアブランド「ベルスタッフ(BELSTAFF)」に加わり、事業再編、エグゼクティブ人材の登用、コレクション内容の変革、商品カテゴリーの拡大に取り組んだ。その後はオーストラリアのブロッホ・インターナショナル(BLOCH INTERNATIONAL)のCEOを務め、23年11月22日に現職として「セルジオ ロッシ」に加わった。
「セルジオ ロッシ」は、21年に中国の投資会社フォースン ファッション グループ(FOSUN FASHION GROUP、現ランバン グループ)の傘下となった。22年1月には、同ブランドのアーティスティック・ディレクターにエヴァンジェリー・スミルニォタキ(Evengelie Smyrniotaki)が就任。また、同年にランバン グループが特別買収目的会社(Special Purpose Acquisition Corporation、SPAC)のプリマベーラ キャピタル アクイジション コープ(PRIMAVERA CAPITAL ACQUISITION CORP.)と合併し、ニューヨーク証券取引所に上場した。