ちょうど2年前でしょうか?年始に発行するCEO特集の取材の中で、アルビオンの小林章一社長が、「愚直に失敗を重ねれば、全く違う肌実感の化粧品さえ生まれる」とおっしゃったことは、今も強い記憶に残っています。
サイエンスの進化は目覚ましく、今はプチプラブランドさえ、それなりの効果実感、つまり肌実感を覚える化粧品を有しています。けれど小林社長がおっしゃる通り、この2年でさえ、「全く違う肌実感の化粧品」がいくつか誕生したり、その片鱗を見せたりしています。レチノール入りの化粧品、マイクロニードル配合の化粧品、リキッドファンデ級の艶感を放つクッションファンデーション、メイクでありケア用品としても使えるリッププランパーなどは、「全く違う肌実感の化粧品」の代表です。
巷では美容医療が市民権を得る方になって、スキンケアに同じような効果効能を求める傾向が強まったり、美容医療で得た効果実感をスキンケアで維持するという考え方が広まったりしています。そう考えると、美容医療はスキンケア化粧品の前に立ちはだかった、強大なライバルなのでしょうか?
なんて思っていたら、美容医療はスキンケア化粧品の良きパートナーになり得るようです。今年はロート製薬が医療機関専売ラインを持つ新ブランドを発売。美容医療についての知見も持つだろう医師の診断が必要なほど有効成分を高配合した化粧品によって、コスメティックとメディカルを融合させた“機能性化粧品(コスメシューティカル)”を打ち出しました。
これに続いたように思えるのは、ポーラ。8月に設立した、診断をサポートするツールや教育、経営ノウハウの提供など、美容医療現場に必要なものを提供する子会社から、やはり医療機関専売ブランドを発売します。こちらも有効成分の配合を謳う製品です。
アルビオンの小林社長が話す、「全く違う肌実感の化粧品」、今は美容医療を含む医療機関との協業から生まれるケースが多いのかな?そんな風に捉えています。
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