「ランバン(LANVIN)」「ウォルフォード(WOLFORD)」「セルジオ ロッシ(SERGIO ROSSI)」などを擁するランバン グループ(LANVIN GROUP)は8日、新たな会長としてホアン・ジェン(Huang Zhen)を、新たな最高経営責任者(CEO)としてエリック・チャン(Eric Chan)を任命した。両氏は、ジョアン・チェン(Joann Cheng)前会長兼CEOの退任に伴い同日付で就任した。
チェン前会長兼CEOは、「ランバン」が2018年に会社清算の危機に陥った際、その過半数株式を取得した中国のフォースン ファッション グループ(FOSUN FASHION GROUP、現ランバン グループ)のエグゼクティブ・プレジデントおよびその親会社である投資会社フォースン インターナショナル(FOSUN INTERNATIONAL)の副最高財務責任者を務めていた。経営陣の刷新に伴って「ランバン」のCEOを暫定的に務めた後、フォースン ファッション グループの会長兼CEOに就任。同社は21年に社名をランバン グループに変更し、22年12月にはニューヨーク証券取引所に上場している。
同氏は、「ランバン グループで過ごしたこの6年は、私のキャリアの中で最も充実した日々の1つだった。17年に構想としてスタートした当グループは実績を重ね、上場を果たし、直近では『セルジオ ロッシ』に新たなCEOが就任するなど、傘下ブランドの運営も盤石だ。成長の次の段階に進む準備ができた今、グループを離れる決意をした」と語った。なお、同氏の今後については明らかにされていない。
ジェン新会長は、現職のほか、フォースン インターナショナルのエグゼクティブ・ディレクター兼エグゼクティブ・プレジデントを務めている。
チャン新CEOは、ラグジュアリーブランド向けのECプラットフォームの開発や運営を行う中国のSECOOグループ(SECOO GROUP)や、不動産開発などを手掛ける香港のコングロマリット、ニューワールド・デベロップメント(NEW WORLD DEVELOPMENT、新世界発展公司)の傘下でショッピングモールなどを運営するK11コンセプト(K11CONCEPT)のほか、フォーシーズンズ・ホテルズ・アンド・リゾーツ(FOUR SEASONS HOTELS AND RESORTS)などで要職を歴任。直近では、フォースン インターナショナルの関連会社であるグレーター・ヨエン・コマーシャル・ディベロップメント・グループ(GREATER YUYUAN COMMERCIAL DEVELOPMENT GROUP)の共同会長を務めていた。
ランバン グループは、傘下ブランドの北米、欧州、アジア、中東地域における販売網の拡大を計画していることから、不動産やオムニチャネルのショッピングプラットフォームに関する経験が豊富なチャン新CEOを起用したと見られる。なお、現在は主力の「ランバン」でも世界で32店舗にとどまっている。