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“グッチ卒業生”が業界で大活躍 ビッザーリ前社長兼CEOの影響?

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PROFILE: マルコ・ビッザーリ=グッチ前社長兼CEO

マルコ・ビッザーリ=グッチ前社長兼CEO
PROFILE: 2005年にステラ マッカートニー (当時はケリングの傘下。18年に独立)の社長兼CEOとしてケリングに入社。09年にはやはり同社が擁するボッテガ・ヴェネタの社長兼CEOに就任し、12年にはケリングの取締役会のメンバーに。14年にグッチの社長兼CEOに就任し、15年に同ブランドのアソシエイト・クリエイティブ・ディレクターだったアレッサンドロ・ミケーレをクリエイティブ・ディレクターに任命。22年11月にミケーレが退任した際には、ビッザーリ社長兼CEOも退任するのではとの臆測が流れたが続投し、23年1月にミケーレの後任として「ヴァレンティノ」でファッション・ディレクターを務めていたサバト・デ・サルノを新クリエイティブ・ディレクターに任命。そのデビューコレクションを見届けた後、23年9月23日付で退任 ANTONIO PUTINI FOR WWD ©︎FAIRCHILD PUBLISHING, LLC

ラグジュアリーブランドやグローバルな企業では、最高経営責任者(CEO)やクリエイティブ・ディレクターの去就に関するニュースが絶えない。興味深いことに、ここ数年の間にこれらの役職に就いた人々の経歴を見ると、ケリング(KERING)の主要ブランドである「グッチ(GUCCI)」でその手腕を発揮して大きく飛躍したケースが散見される。ブランドの規模を考えると確率的にも不思議はないように思えるが、専門家らによれば、2014年から23年9月まで同ブランドの経営面を率いたマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)前社長兼CEOの存在もその一因ではないかという。ここでは、主な“グッチの卒業生”をまとめつつ、ビッザーリ前社長兼CEOが同ブランドにもたらした変化や影響について分析する。(この記事は「WWDJAPAN」2023年12月11日号からの抜粋です)

まず、マネジメント側の主な“卒業生”を列挙すると、ヤコポ・ヴェントゥリーニ(Jacopo Venturini)=ヴァレンティノ(VALENTINO)CEOが2015年から19年までグッチに在籍し、20年に現職に就任。ジャンフィリッポ・テスタ(Gianfilippo Testa)=アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)CEOは16年にグッチに加わり、22年5月に同社を離れて現職に就いた。ロバート・トリーファス(Robert Triefus)=ストーンアイランド(STONE ISLAND)CEOは08年から23年5月までグッチに在籍し、同年6月から現職となっている。

クリエイティブ部門では、シモーネ・ベロッティ(Simone Bellotti)「バリー(BALLY)」デザイン・ディレクターが「グッチ」に16年間勤務した後、22年10月に「バリー」に入社。23年6月に現職に就任した。故ダヴィデ・レンネ(Davide Renne)「モスキーノ(MOSCHINO)」クリエイティブ・ディレクターは、04年にグッチに入社。約20年間にわたって在籍し、最終的にはウィメンズウエアのヘッドデザイナーに。23年11月1日付で「モスキーノ」に加わったものの、同月10日に惜しくも急逝した。また、今年5月に「ロシャス(ROCHAS)」のデザインチームに加わり、12月4日に新たなクリエイティブ・ディレクターに任命されたアレッサンドロ・ヴィジランテ(Alessandro Vigilante)も、アレッサンドロ・ミケーレ時代の「グッチ」でキャリアを積んでいる。暫定的とは言えグッチの社長兼CEOに就いたケリングのジャン・フランソワ・パリュ(Jean-Francois Palus)=マネージング・ディレクターと、新クリエイティブ・ディレクターのサバト・デ・サルノ(Sabato De Sarno)体制による組織改革が多くの“グッチ卒業生”を生んでいる側面もあるだろう。

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