ビューティ
連載 ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望 第138回

化粧品のラベルに載っている企業、それぞれの挑戦

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【連載】ファッション業界人も知るべき今週のビューティ展望

ビューティ賢者が
最新の業界ニュースを斬る

ビューティ・インサイトは、「WWDJAPAN.com」のニュースを起点に識者が業界の展望を語る。
今週は、新たな視点を取り入れて商品化するビューティ企業の話。

弓気田みずほ ユジェット代表・美容コーディネーター プロフィール

(ゆげた・みずほ)伊勢丹新宿本店化粧品バイヤーを経て独立。化粧品ブランドのショップ運営やプロモーション、顧客育成などのコンサルティングを行う。企業セミナーや講演も。メディアでは化粧品選びの指南役として幅広く活動中

【賢者が選んだ注目ニュース】

このまま、『美容好きな人』で終わるのはもったいない。」サティス製薬が実施している「化粧品開発アイデアコンテスト」の電車広告に目が留まった人はいるだろうか。

ブランド乱立の中、競争力を磨くOEM

自分の肌悩みを解決するオリジナルスキンケアのアイデアを募集し、当選者100人に無料で企画開発から商品化までのサポートを行うという大胆な企画は、サティス製薬が掲げているスキンケアブランドの立ち上げサービス「ウィズブランドプロジェクト」の一環。本来は30万円からの予算で提供するサービスで、スキンケアブランドを作りたいという個人やスタートアップ向けに、インスタグラムの専用アカウントでも情報発信を行っている。

サティス製薬は、いまやメンズスキンケアで地位を確かなものにした「バルクオム」、パーソナライズコスメの先駆けとなったヘアケアブランド「メデュラ」など800を超えるEC・D2Cブランドの開発を手掛けた影の立役者。ハイペースでブランドの立ち上げを可能にしている背景には、ベースとなる化粧水・美容液などの処方に発注者の求める要素を組み合わせることでオリジナル商品に仕上げる、いわばセミオーダー的な仕組みがある。

カラーメイクのOEMとして10年連続で国内No.1をキープする老舗・トキワも、小ロット・短期納品でオリジナルのメイク品を作るサービス「トキワコウボウ」をもつ。2021年から2回にわたって、スタートアップ法人に対しブランドの立ち上げから販路のアドバイスまでを一貫してサポートするアクセラレータープログラム「トキワラボ」を実施した。最小1000個までの商品生産と、外部審査員によるブランディングや販路のアドバイスまでを提供するという包括的なサポートを提供した。第1回のプログラムで採択された、100%天然由来成分でつくるメイクアップブランド「ナナチュラル」は、22年度「エル・クリーンビューティアワード」にも選定され、認知を広げている。

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