ファッション
連載 今週の特集お届け隊 第120回

メンズのリアルトレンドを探る(2023年12月11日号)

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2023年12月11日号からの抜粋です)

美濃島:ウィメンズで半期に1度行っているリアルトレンド特集をメンズでもやってみようと特集を企画しました。セレクトショップやブランドの展示会の打ち出しから見えてくるトレンドをまとめようと試みましたが、肝心の展示会がこれから開催というところが多く……。アンケートベースで新作の打ち出しとルックを調査しました。

大塚:タイミングは難しかったですね。次週はウィメンズのリアルトレンド特集だし、その次になると年末年始号。でも34業態の打ち出しがまとまると、やはり見えてくるものがありましたね。

美濃島:はい。デニムを組み合わせたり、シアーなシャツを取り入れたり、ショップやブランドによってアプローチは違いますが、メンズはいかにベーシックを料理するかが基本です。

大塚:パリやミラノのコレクションを取材し、トレンドアイテムや傾向をまとめ続けてきましたが、マーケットまで落ちているかというと、そうでもない。コレクションではここ数シーズン、スーツをモードとして提案する流れが来ていますが、展示会だとやはりピッティで多く見られるようなトラッド系がベースの打ち出しが多いです。アメカジも強い。

美濃島:とはいえ、正直「これ!」というのは浮かび上がってこなかったですね。

大塚:ナンバーワンのオススメを教えてもらうと、どこもコンサバなものになってしまうのかもしれないですね。やはり展示会に行って、現場で探さなければ。

メンズではセンスのある個人の影響力も大きい

美濃島:そうですね。「グラフペーパー」の南貴之さんと「レショップ」の金子恵治さんに、ベーシックなアイテムを扱いながらもどう変化をつけているのかなどについて対談してもらいました。

大塚:2人の強みは、現場での情報収集力なのだなと感じました。取材前は優れた分析力や、先を読む鋭いセンスなのかなと思い込んでいましたが、今でも売り場に立って顧客のニーズを直接聞き続けていることが、今のファン層拡大につながっているんですよね。

美濃島:デザインやMDを考案する際に、世間のトレンドを参考にすることも大切かもしれませんが、メンズではセンスのある個人の影響力も同じぐらい強いですね。現場に精通しているから、裏付けもしっかりしている。トレンドの生み出し方についてはさまざまあると分かったので、次回に向けて取材方法もアップデートしていきます!

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