ファッション

「エルメス」の“バーキン”、最も高価なモデル8選 希少レザーやダイヤモンドの装飾など

エルメス(HERMES)」の“バーキン”は、エルメス5代目会長のジャン=ルイ・デュマ(Jean-Louis Dumas)が飛行機で隣の席になった英俳優でシンガーのジェーン・バーキン(Jane Birkin)からの要望を叶えるためにデザインし、1984年に発売したアイコンバッグ。若き母親であったバーキンのニーズを満たすため、大きな容量や長い持ち手、中身がこぼれないロック機能といった実用性、上質なレザーとサドルステッチ仕上げでファッション性も兼ね備えている。誕生から半世紀、映画化もされた人気ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ(SEX AND THE CITY)」などさまざまな作品への登場や、“バーキン”に類似したバッグのNFT作品にまつわる“メタバーキン事件”、クリス・ジェンナー(Kris Jenner)やヴィクトリア・ベッカム(Victoria Beckham)のようなコレクターの存在など、“バーキン”は今でも話題に事欠かない、不滅の人気を誇るバッグとなっている。

“バーキン”は入手困難なことでも知られるが、エキゾチックレザーやダイヤモンドの金具など、ユニークでラグジュアリーなディテールが施された数量限定のモデルは、オークションで数十万ドルになることも。ここでは、WWDが選んだ“世界で最も高価なバーキン”を紹介する。

“オンブレ バーキン”

“オンブレ”は2019年に登場。希少な水オオトカゲの革をベースに貴金属パラジウムの金具をあしらい、パルシュマンカラー(羊皮紙を思わせるライトベージュ色)のシェーブルレザーで縁取った。小売価格は約4万〜8万ドル(約568万〜1136万円)だったが、オークションでは約2倍の価格に高騰。20年にはサザビーズ(SOTHEBY’S)のオークションで、13万7500ドル(約1952万5000円)で落札された。

“メタリック バーキン”

2005年に“メタリック バーキン”がシルバーとブロンズの2色登場した。一般的な“バーキン”の30サイズより小さい25サイズでの展開だったが、定番サイズに劣らない高価格となっている。22年のサザビーズオークションでは、シルバーカラーにブロンズのディテールをあしらったバージョンが14万ドル(約1988万円)で取引された。

“ソーブラック バーキン”

ジャンポール・ゴルチエ(Jean-Paul Gaultier)は、「エルメス」のクリエイティブ・ディレクターを務めたラストコレクションで、金具まで全てブラック仕様の“ソーブラック”シリーズを発表した。マットクロコダイルレザーにPVDコーティングの金具を施した“バーキン”は、19年にオークションハウス、クリスティーズ(CHRISTIE’S)で20万円ドル超(約2840万円)で落札された。

“ダイヤモンド バーキン”

エキゾチックレザーを使った希少な“バーキン”の二次流通価格は高騰傾向にあり、クロコダイルレザーにダイヤモンドの装飾金具を備えるモデルのリセール価格は20万ドル(約2840万円)を超える。“ゼラニウムクロコダイル ダイヤモンド バーキン”はゼラニウムの花のように鮮やかな赤色のポロサスレザーを使用し、金具に18金のホワイトゴールドとダイヤモンドをあしらったハンドバッグ。2008年にクリスティーズが販売した際には、28万8200ドル(約4092万4400円)だった。

“フォーブル バーキン”

“フォーブル バーキン”は「エルメス」のパリ・フォーブル・サントノーレ店をイメージしたデザインで、クロシェットにはエルメスのロゴが刻印されている特別な“バーキン”。4色展開しており、中でもネージュと“スノー”のカラーが人気。アリゲーター(ワニ)とシェーブル(ヤギ)の2種類のレザー使いで、コレクターも多いモデルだ。2020年にサザビーズで取引されたパラジウムの金具を備えた希少な20サイズの“フォーブル ネージュ バーキン”は40万ドル(約5680万円)だった。

“ヒマラヤ バーキン”

サザビーズが22年に取り扱った、ホワイトゴールドの金具にダイヤモンドを散りばめた“ヒマラヤ バーキン 30”は、45万ドル(約6390万円)で落札された。ナイルワニのレザーが持つ美しいカラーグラデーションが、雪に覆われたヒマラヤ山脈をほうふつとさせるため“ヒマラヤ”と名付けられた。金具にダイヤモンドの装飾がないモデルでも、とても希少で価値あるモデルとなっている。

“ギンザタナカ バーキン”

日本貴金属店の老舗「ギンザタナカ(GINZA TANAKA)」とコラボレーションしたプラチナ製の“ギンザタナカ バーキン”は190万ドル(約2億6980万円)。2182個のダイヤモンドを散りばめ、バッグの中心には8カラットのペアシェイプダイヤモンドをあしらった。

“サックビジュー バーキン”

2012年の“オート ビジュトリー”コレクションで登場した“サックビジュー バーキン”は200万ドル(2億8400万円)の販売価格だった。「エルメス」のジュエリー・ディレクターであるピエール・アルディ(Pierre Hardy)が手掛けたこの “バーキン”は、ローズゴールドに2000個を超えるダイヤモンドをあしらい、ブレスレットとして着用するミニチュアサイズになっている。サザビーズによると“サックビジュー バーキン”は世界にたった3点しか存在しないという。

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