クレンジングウォーターのパイオニアであるフランスの「ビオデルマ(BIODERM)」。クレンジングウォーター「H2O」は、世界で3秒に1本売れているという。2002年に日本上陸を果たし、皮膚科医推奨の製品として敏感な肌の人にも安心して使えると日本でも根強い人気を誇る。13年10月に日本法人を設立。これまで待たれていた本格展開がいよいよスタートする。
1985年にフランス・リヨンで誕生したビオデルマ。社名の由来であるバイオロジー(素肌の自然な働き)とダーマトロジー(皮膚科学に基づく効果的な処方)を考慮した製品を生み出している。「皮膚科医や研究機関と連携し、50以上の国際特許を取得。肌の問題を解決するために、あくなき探究を続けている」。今では、スキンケア製品で名を馳せているが、最初の製品は界面活性剤を使用しないシャンプー「ノデ」だった。次にフランス内で日焼け防止の意識が高くない中、いち早く紫外線対策製品「フォトデルム」も販売。94年にはビオデルマの知名度を一気に高めたクレンジングウォーター「H2O」が誕生した。これは、表皮の組織を研究して生まれたもので、皮膚の膜と同じ構造を持つ独自成分の球体「ミセル」を配合したことが最大の特徴。「ミセル」はメイクや皮脂などの汚れだけを引き寄せるため、コットンで拭き取ると肌はサラサラになり、保湿成分配合により潤いのある肌を保てるのだ。「当時、クレンジングはミルクタイプが一般的だった。ローションタイプを使い慣れない人が多かったが、口コミで広がり、発売から5年後くらいから手応えを感じるようになった」とデモット社長。今では、売り上げの約12 %を「H2O」が占めるほど、ブランドをけん引する製品に成長している。
95年から海外進出に乗り出し、現在では80ヵ国に販売網を広げる。売り上げは毎年2ケタ増で伸長し、13年度の売上高は2億1300万ユーロ(約298億2000万円)。14年度は2億5000万ユーロ(約350億円)を見込んでいる。売り上げ上位国は1位がフランス、2位が中国、3位がトルコ。日本では02年から販売し、やはり「H2O」が売り上げをけん引する。「フランスでは約200アイテムを揃えるが、日本はわずか7アイテムのみ。随時アイテムを増やし2年後には倍のアイテムを揃えたい」。13年10月にビオデルマジャポンを設立した。「H2O」以外の製品も強化するのが一つの狙いだ。また、「現在、ドラッグストアを中心に展開しているが、フランスのように皮膚科医推奨という認知度を高めていきたい」という。これらにより、「日本の売り上げは3年後をメドに現在の8〜10倍にしたい」と意欲を燃やす。