ビジネス
連載 エディターズレター:MARKET VIEW 第20回

格差が広がる百貨店

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「WWDJAPAN」のポッドキャスト番組「記者談話室」の12月12日配信分は、「ファッション業界 2023年の流行番付」をテーマにしました。ファッション業界で今年流行った商品や現象を大相撲の番付のようにランキングにしたので、ぜひ聞いてみてください。

「カーゴパンツ」「ユニクロ ラウンドミニショルダーバッグ」「New Jeans」「ミュウミュウ」「メゾンスペシャル」「クワイエットラグジュアリー」といった候補が挙がる中、私は「伊勢丹新宿本店」を東の正横綱に推しました。

伊勢丹新宿本店は23年3月期の売上高が前期比29%増の3276億円となり、過去最高を31年ぶりに更新しました。今年(24年3月期)はさらに勢いを増し、期初予想を上方修正して3727億円になりそうだと11月に発表しています。25年3月期に予定していた3500億円を1年前倒しで達成、しかも大幅に上回る凄まじさです。コロナ前の20年3月期と比較すると1000億円近くの増収です。

コロナの5類への移行、富裕層の旺盛な消費意欲、ラグジュアリーブランドの勢い、急激な円安による訪日客の急回復といった23年のさまざまな要因が伊勢丹の業績を押し上げたわけで、今年を象徴する社会現象です。細谷敏幸・三越伊勢丹ホールディングス社長が旗を振った「マスから個」への改革は、この追い風のもと、最大限に効果を発揮しました。貫禄たっぷりの横綱相撲といえるでしょう。

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