毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2023年12月18日号からの抜粋です)
本橋:半年に1度の恒例となったリアルトレンド特集ですが、2024年春夏の展示会で感じたのは、スタイリングが肝になるということ。アイテム自体に目新しさはあまりないのですが、スタイリングでオシャレに見せる動きが顕著でした。そこで今回はスタイリストの濱本愛弓さんに表紙のスタイリング12体をお願いし、インタビューもしました。また、各展示会の写真にもスタイリングのポイントを明記。接客やインスタライブなどの参考になればうれしいです。
木村:セレクトショップを取材しましたが、カジュアル系はスポーツミックスがキーワード。トラックスーツにチュールベストや、ジャージーのセットアップにバレエシューズなど、意外性のある組み合わせが来そうです。
五十君:23年秋冬のリアルトレンドでは、キラキラアイテムに期待していましたが、街で全然見かけないですね……。12月でもこの暖かさなので、スパンコールやラメニットの出番ナシかもしれません。それよりもチュールなどのシアーなアイテムのトレンドが来春夏は継続しそう。
大きめなシアーアイテムを一番上に
木村:エストネーションに聞くと港区界隈ではスパンコールのアイテムが売れているそうです。春夏もキラキラアイテムを充実させるそう。富裕層のパーティー需要はありそうです。シアーアイテムは、これまではレイヤードの一番下にありましたが、春夏ではパーカなど、オーバーサイズで一番上に着るアイテムとして出てきています。
五十君:長い夏に向けてどう提案するかも焦点ですね。定番再解釈の流れでトレンチコートもよく見ましたが、素材は薄手が中心。すぐに暑くなりそうなので、冬に続き、春アウターもロング丈はもはや不要かもしれません。
本橋:僕は「今はちょっと不格好でもいい」という濱本さんの言葉が印象的でした。自由にレイヤードを楽しもうという雰囲気を展示会の取材でも感じたので、それを特集でも伝えたいです。