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「ジーユー」、NYポップアップの手応えは? ファンタジスタ歌麿呂とNY限定商品も

ファーストリテイリング傘下の「ジーユー(GU)」は、2022年10月から米ニューヨークのソーホーで長期ポップアップショップを運営している。“GO GLOBAL”を掲げ、今年9月にはニューヨークに商品本部も構えてグローバル化を推進。ソーホーのポップアップストアについては今後、正式な店舗化の動きも見せているという。ユニクロUSAのドーン・アボツィ(Dawn Abotsi)マーケティング・マネジャーに、「ジーユー」のニューヨークでの試行錯誤や今後について話を聞いた。

ーーニューヨークに「ジーユー」のポップアップショップがオープンしてから一年が経過した。手応えは。

ドーン・アボツィ=ユニクロUSA ジーユー USマーケティング・マネジャー(以下、アボツィ):具体的な売り上げや予算比は公開していませんが、商品構成や売り場の整備、店舗サービスの強化によって、業績は好調です。また、「ジーユー」を知っていただくきっかけとしてSNSや店舗アクティビティーに注力し、集客を強化しています。この12月には、ニューヨーク在住の日本人アーティスト、ファンタジスタ歌麿呂氏とコラボレーションし、ニューヨーク店限定商品を発売しました。まだ課題はありますが、来店後の口コミがさらなる集客につながり、認知度も向上してきていると感じています。

ーー売れ筋商品について教えてほしい。

アボツィ:トレンド且つ気の利いたデザイン、品質、価格の3拍子がそろった「ジーユー」らしい商品が好調です。23年秋冬物では触り心地がよく、デザインバリエーションが豊富な”パフィータッチ”シリーズのニットや、ウールライクなコージーメルトンのコートが人気です。また、マルチウェイデザインのワンピースはさまざまな着こなしが楽しめることに加え、タイトなフィット感でニューヨークのお客さまにも受け入れられています。

通年で好調なボトムスはワイドシルエットが人気です。オフィスカジュアルにも活用できるタックワイドパンツ、ワイドジーンズ、カーゴディテールなどトレンドのデザインを押さえながら、さまざまなスタイルを楽しめるラインナップがヒットしています。日本でも人気の“ラウンドショルダーバッグ”もニューヨークで好調に動いています。
 
「ジーユー」の代表商品でもある“ヘビーウェイトスウェット”は、今シーズンからウィメンズもラインアップに加わり型数を拡大しました。品質のよさと手頃な価格で支持され、リピーターのお客さまも多い商品です。ファンタジスタ歌麿呂氏とのコラボでは、“ヘビーウェイトスウェット”の胸元に日本のポップカルチャーを代表するアニメや漫画風のアートをデザインし、ニューヨーク店限定として発売しました。

「日本の“体形カバー”発想はNYにはない」

ーー日本と北米市場の違いをどう理解し、どう調整しているのか。

アボツィ:日本とニューヨークではサイズ感(フィット)と着こなしが大きく違うと感じています。お客さまの体形も異なるため、デザインが気に入っても日本のサイズではフィットしないことがあります。追加生産の際にサイズのSKUをニューヨークのお客さまに合うように調整しています。また、日本では(コンプレックスのある箇所を隠すといった)「体形カバー」が浸透している一方で、ニューヨークでは個を尊重する文化の背景もあり、体形は隠すのではなく魅力的に見せる着こなしが浸透しています。そのため店頭のマネキンは、ニューヨークのお客さまにフィットするようにスタイリングを日本と変えています。

お客さまやニューヨークのスタッフから出た意見は、日常的に(東京の)グローバルヘッドクォーターに伝え、改善ポイントを明確にして商品開発に活かしています。同時に、9月に設立したニューヨーク商品本部のメンバーは、ニューヨーク(グローバル)市場の商品・トレンド情報を日々リサーチし、最短で商品開発に反映することにも取り組んでいます。

ーー「ジーユー」をニューヨークの客はどう受け止めているか。

アボツィ:「ユニクロ(UNIQLO)」の姉妹ブランドということで、興味を持って来店される方も多くいらっしゃいます。トレンドかつデザインに気が利いていて、他のブランドにはないようなユニークな商品がお手頃に買える、という商品へのポジティブな声もいただいています。また、SNS上ではニューヨーク以外のエリアへの出店を期待するコメントも寄せられています。

ーーニューヨークでの常設店オープンの予定は。

アボツィ:常設店の具体的な時期については現在計画中です。ニューヨークへの正式出店および米国での事業拡大という目標に向けて、ポップアップストアを延長し引き続き「ジーユー」がお客さまから何を期待されているのかをよく学び、今後につなげていきたいと考えています。

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