デザインTシャツで知られるグラニフ(graniph)が、大きく変わってきた。2020年9月に就任した村田昭彦社長の指揮の下、大掛かりなリブランディングを実施。かつてTシャツとパーカが主力だった商品構成は、ニットやアウター、ボトムス、帽子、シューズ、バッグ、インテリア雑貨、ステーショナリー、キャンプグッズまで拡大した。店舗も年10〜15店舗のペースでスクラップ&ビルドを進め、この2年で20店舗ほど減らす一方で、これまで20〜30坪(約66〜100㎡)が中心だった店舗面積も50〜100坪(約165〜330㎡)へ広げる。
旗艦店はキャットストリートに130坪
12月21日には、東京・原宿のキャットストリートに約130坪(約430㎡)の旗艦店「グラニフ東京」をオープンした。オリジナルキャラクターである「ビューティフルシャドー(BEAUTIFUL SHADOW)」の初のショップ・イン・ショップを筆頭に、7つの異なるキャラクターやコンセプトの売り場スペースに加え、初となるカフェも併設する。村田社長は「商品構成は、すでにTシャツ・パーカー中心ではなくなっている。改めて『ポップカルチャーと融合したグラフィックブランド』としての立ち位置を発信する」と語った。
先行して心斎橋に10月3日にオープンした2層・80坪(約240㎡)の路面店は、「予想以上に好調で、3カ月で売上高は8000万円を超え、年間3億円ペースで推移している」。アイテムのバリエーションを増やしたことで、キャラクターのファンが複数のアイテムを購入し、一人あたりの顧客のLTVを押し上げる、という好循環も生まれている。オリジナルキャラクターで最も人気のある「ビューティフルシャドー」は、「売上が20億円を突破している」という。
2024年6月期の売上高は、前期2割増の130億円を計画している。「細かい数字は非公表だが、営業利益も国際会計基準で10%以上を余裕で超えている」という。
12月19日夜には関係者を集めたレセプションパーティを行った。当日の店舗には、モリリンやMNインターファッションなど大手繊維商社がこぞって祝花を贈り、当日は首脳陣がお祝いに駆けつけた。村田社長は「商品構成を増やしたことで、商社との取引も増えつつある」という。