毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2023年12月25日&24年1月1日号からの抜粋です)
小田島:2023年最後の特集は、編集部員がカテゴリーごとの振り返りと24年の展望を語り合いました。今年は特にラグジュアリー企業のビューティ参入のニュースが多かったですね。ケリング(KERING)はボーテを、リシュモンは香水部門を設立しました。ファッションとビューティの融合がさらに進むと感じます。
牧田:確かに。でも、ラグジュアリーブランドのコスメで言うと、正直「ディオール(DIOR)」一強の年でもありました。趣向を凝らしたポップアップを行い、ピンクのグロスや丸い形状のボディークリームなど見た目のキャッチーさもあり、とにかくバエるんです。「プラダ ビューティ(PRADA BEAUTY)」も話題を集めましたが日本でのメイクアイテムの発売はまだ先なので、実売でも「ディオール」は圧倒的でした。
小田島:どこのブランドも価格が上がっているので、エントリーアイテムとしても機能しますね。
牧田:ファッションブランドによるコスメといえば、23年は「スナイデル ビューティ(SNIDEL BEAUTY)」が軌道に乗った年でもありました。スタート当初はサステナビリティや環境配慮の打ち出しが強かったのですが、改めて「スナイデル(SNIDEL)」らしさをアピールしたところ、ヒットが出ています。やはりブランドとして筋が通ると、「スナイデル」ファンに刺さるんですよね。
小田島:ルミネ新宿店限定品が大ヒットしましたが、店単位で限定品を用意するという仕掛けも奏効したそうですね。アパレルブランドが始めたビューティで成功した例は珍しいですよね。
牧田:「スナイデル ビューティ」はPRも販売スタッフもブランドが大好きなことが伝わってくるんです。熱量って改めて大事だと思いました。コロナ禍の画面ごしのコミュニケーションに慣れましたが、やはり熱量はリアルの方が伝わりやすいんですよね。そこもポイントだったと思います。
コンビニで ヒットが生まれている
小田島:コンビニはどうですか?ファッションではファミリマートが「コンビニエンスウェア」のショーをして盛り上がりました。ファミマに行くと入り口の一番いい場所に専用什器で販売していて、本気度を感じます。
牧田:ローソンでも韓国コスメ「アンドバイロムアンド」が大ヒットしています。
小田島:コンビニでも本格的に売れるようになったと実感しますね。両方を一緒にカバーできるのがわれわれの強み。24年も頑張りましょう!