2023年、SNS上の存在感を強めるために多くのブランドが3DCGを活用した。「ジャックムス(JACQUEMUS)」は巨大なアイコンバッグを道路に走らせ、「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」はまつ毛の生えた電車でマスカラ“スカイハイ”の魅力をアピール。その多くは実際の映像にコンピューターグラフィックスを組み合わせたものだが、中には本物と見間違えて「宣伝のために街や自然を汚すのか」と疑問視するコメントもあり、ブランド自らCGであることをリプライして説明するケースも見られた。ここでは、SNSをスクロールする人の指を止め、新鮮な驚きを与えた映像たちを紹介する。
「ジャックムス」の走るバッグ
「ジャックムス」公式インスタグラム(@jacquemus))より
「ジャックムス」は4月、巨大なアイコンバッグを道路に走らせた。公式インスタグラムのリール動画は再生回数が4866万回を超える。クリエイティブディレクターのファビアン・バロン(Fabien Baron)も「That’s cool(かっこいいね)」とコメント。まさに「JACQUEBUS(ジャックバス=ジャックムス+バス)」だと言うファンも現れた。
「ジャックムス」公式インスタグラム(@jacquemus)より
8月には新作のバッグを海に浮かべ、風船のように膨らませるインスタレーション映像を公開。風船を模したことで、プラスチック不使用かどうかと海洋環境への影響を心配する声も上がったが、「ジャックムス」は「100%(プラスチックフリーだ)」「it’s a leather bag, made in Italy.(イタリア製のレザーバッグです)」とリプライした。
「メイベリン」のまつ毛トレイン
「メイベリン ニューヨーク」公式インスタグラム(@maybelline)より
「メイベリン ニューヨーク」は人気のマスカラ“スカイハイ”をモチーフに、先端にまつ毛を生やした電車やバスを走らせた。マスカラコームの下を車両が通るとまつ毛が揺れる姿に多くの人が目を止め、再生回数は7610万回を超える。「これは本物?」というコメントに、同ブランドはウインクの絵文字で返信している。
「ユニクロ」がインドの海上に?
「ユニクロ」インド公式インスタグラム(@uniqloin)より
「ユニクロ(UNIQLO)」は10月6日、インドの商業都市ムンバイに初出店した。会場に浮かぶ船の上に3つのギフトボックスが並び、中からダウンジャケットやTシャツなどアパレルアイテムが登場した。
「ロレアル パリ」はリップで路上ペイント
「ロレアル パリ」公式インスタグラム(@lorealparis)より
「ロレアル パリ(L'OREAL PARIS)」はリップグロスのチップを乗せた車が道路をペイントする動画を公開した。艶やかに光るインクは本物ではなく、コンピューターグラフィックスで実写映像と組み合わせて作成したものだと説明している。
「ヴァレンティノ ビューティ」のドミノ
「ヴァレンティノ ビューティ」公式インスタグラム(@ valentino.beauty)より
「ヴァレンティノ ビューティ(VALENTINO BEAUTY)」はリップやチークとして使えるリキッドタイプのマットカラー“ヴァレンティノ リキロッソ”を凱旋門の前に並べた。巨大なコスメがドミノ状に倒れていく映像は、中国・上海のデジタルクリエイティブスタジオ「メタハウス(METAHAUS)」が手掛けた。