yutoriが東京証券取引所グロース市場に27日、新規上場した。同社は2018年4月創業。アパレル企業として最短での上場だ。記者発表会に登壇した片石貴展yutori社長は、「やったぜ。好きなことを、好きな人とやってきた。その結果、資本主義ど真ん中の“上場”を達成できた。これから、もっと伸ばさないといけない。やってやるぞ、という感じ」とコメントした。
同日の初値は公開価格を12.3%上回る2829円で、終値は2599円だった。「投資家の皆様から評価いただけて、喜ばしい気持ちと、身が締まる思いの両方だ。今後も業績を伸ばし、市場で評価されたい」。
yutoriは2018年4月に創業した。インスタグラムアカウントを軸とするメディア事業と、海外から買い付けた古着の販売事業、D2Cブランド事業で成長し、20年にZOZO傘下に入った。
現在は「9090」「ヤンガー ソング(YOUNGER SONG)」「ゲンザイ(GENZAI)」「ブロークンベース(BROKENBASE)」など22のブランドを持ち、自社ECやZOZOTOWN、ポップアップなどのオフラインストアで販売する。今後は「日本で一番ブランドを持つ会社になりたい。おそらく今のトップは60ブランド前後。1年で10ブランド増やせば、5年後には70ブランドになる。ブランドが多ければ、それだけ多面的なコミュニティの熱量と偏愛を内包することになる。そんな会社になりたい」と片石社長。
片石社長は1993年12月25日生まれで、30歳になったばかり。アパレル企業の社長としても最年少での上場だ。2020年のZOZO傘下入りに伴う弊紙の取材で「30歳までの上場、いけるんじゃない?」と答えており、その言葉を実現した。
親会社だったZOZOは今回の上場に伴い一部の株式を売却し、所有株式は23.96%となった。筆頭株主は、27.16%を所有する片石社長になった。