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アデランスがラオスにサワンナケート本工場を新設。 ラオス全体の雇用は日経企業最大に

 アデランスは、ラオス南部のサワンナケートに「サワンナケート工場」本工場を新設した。この稼働開始に先立ち7月24日、ラオス人民民主共和国のサイソンポーン・ポムウィハーン=ラオス国民議会副議長とカンプイ・タンタジョーン=サワンナケート県副知事、岸野博之ラオス特命全権大使などが記念式典を行った。

 サワンナケート県副知事は「これからアデランスがもっと成長し、スムーズな生産が行えるよう関係各位が力を合わせてサポートしていきたい」とコメント。岸野ラオス特命全権大使は「ラオスに進出する日系企業はこの3年間で倍以上に上る。ここから日経企業の成功物語が生まれることを願う」、根本信男アデランス社長は「優秀な社員を数多く雇用し、ラオスでの生産はこの2年間で4倍になった。従業員一同満足いただける製品を生産していきたい」と意気込みを語った。

 アデランスは2012年、ラオスで委託生産を開始。最初の委託工場である「ヴェインチャン工場」は、オーダーメイド製品の毛植え工程専用工場として現在も稼働中だ。14年5月には、ラオス現地法事としてアデランス・ラオス社を立ち上げ自社工場での生産準備を開始した。14年9月に「サワンナケート工場」で賃貸設備を利用した仮工場を稼働させ、月産800枚程度のオーダーメイド製品の生産を行っている。

 今回は、約6億円を投資し「サワンナケート工場」にラオス初となる自社工場を完成させ本工場として稼働を開始した。生産を順次拡大し、日本の他にも欧州や北欧向け製品への生産へと広げていく計画だ。また、ベースの制作から毛植え、仕上げまでの工程を一貫生産で行う体制を整え、ラオス国内のみで作る製品を今後も生産していく。これに伴い、17年末には、「ヴェインチャン工場」を含むラオス全体の雇用は3000人に達し、日経企業最大になる見込みだ。

 「サワンナケート工場」はオーダーメード製品の一貫生産を行っていて、一貫生産を行う工場としては02年に可動開始したフィリピンに次ぐ2カ所目となる。このような生産方法は、製品の品質向上、生産スケジュールの管理の厳格化、生産性向上の3つの利点があるのが特徴だ。特に手織りの織物が伝統的に根付いているラオスでは、ウイッグ生産に適した毛先の起用な労働力が確保できるため、品質康応に貢献できる。加えて、近隣のタイやベトナムに比べて賃金水準が安く、進出工場が少ないため優秀な人材を確保でき、生産性も高い。水資源が豊富で電力不足に陥る可能性が低いことも近隣諸国に比べて大きなメリットとなっている。今後、約30年に渡り拠点としてきたタイの熟練したスタッフを指導人員として活用し、タイを物流のハブとしつつ、ラオスの生産を積極的に増やしていく。

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