過去数十年にわたり、メイクアップ・アーティストの定番として君臨していた、コントアーと呼ばれる小顔メイクの人気が再燃している。コントアーとは、シェーディングとハイライトを使い、顔の立体感を強調するメイク方法のこと。ブームの火付け役は、濃いブラウンと明るいベージュのシャドウを駆使したメイクが印象的な米タレント、キム・カーダシアン。目に見えてリフトアップ、痩せて見える効果が期待できることから、マス市場ではミレニアル世代から年配の女性まで、幅広い層から熱狂的な支持を得ている。
カレン・グラントNPDグループ ヴァイスプレジデント兼グローバル ビューティ インダストリー アナリストは、「1970〜80年代に流行したものと違い、現代の小顔メイクは、"いかにも作り上げたような仕上がり"とは全く別物。製品やツールはより繊細でナチュラル、色味はソフトに進化した。現代女性はたっぷりとルージュを塗る代わりに、頬骨を強調している」と説明した。
セフォラは3月、マップ・マイ・ビューティ社とタッグを組み、ユーザーのセルフィーを基にそれぞれの人に最適なコントアーメイクを指南するアプリ「マップ・マイ・ビューティ」をローンチ。さらに、ウェブサイトでは2014年前半にわずか1?2製品しか取り扱いがなかった、コントアー関連の製品を約60製品まで拡充した。
しかし、マーケットを席巻するコントアーメイクに否定的な見方もある。メイクアップ・アーティストのボビイ・ブラウンは、「80年代にアーティストとして活動し始めた頃、多くのアーティストが小顔メイクに夢中で、頬骨を塗りつぶし、鼻の形を変えていたけれど、私にはできなかった。決して良く見えないからね。カーダシアン効果で、コントアーが再び一大トレンドになっているけれど、私はとにかく反対。コントアーメイクの多くは、自分の顔をカバーし過ぎている女性と関係があり、彼女たちをさらに過剰な道へ向かわせてしまう」と持論を語った。