能登半島地震が直撃したエリアの一部は、世界的な合繊テキスタイル産地として知られており、テキスタイル供給にも影響を与える可能性がある。繊維メーカー最大手の東レは、自社工場だと石川工場(石川県能美市)と北陸支店のほか、創和テキスタイルや丸一繊維などの子会社・グループ会社を含めると、石川・新潟などの工場・オフィスの9拠点が震度5以上のエリアにあるが、「被害状況は確認中」という。
日本最大の織物メーカーで、能登半島南部の中能登町に本社、隣接する七尾市にも工場を構える丸井織物は、「従業員の安否については全員確認できたものの、避難所生活を余儀なくされている従業員もいる。設備や建屋などには一部で被害があった。ただ、ライフラインは一部を除き再開しており、納期遅れはなんとか回避できるよう全力で復旧に取り組んでいる」という。ウェブサイト上でも情報を更新しており、「生産再開のめどが立ち次第、ウェブサイトで告知する」という。なお、Tシャツプリントの「アップティー(UP-T)」のみは被害が軽微だったこともあり、すでに生産を再開しているという。
石川県能美市に本社及び工場を持つ染色加工最大手の小松マテーレは、「漏水などはあったものの建屋・設備ともに軽微で、午前の整備・点検を経て、本社工場に関しては午後からは通常通り稼働を開始できた」という。