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百貨店初売り、今年も「セールよりプロパー」

主要百貨店5社の2023年12月度業績は、おしなべて1割程度の増収だった。ラグジュアリーブランドや時計・宝飾等の高価格帯商品が引き続きけん引し、気温が下がり切らない中でも冬物衣料が健闘した。

各社の前年同月と比較した売上高は、三越伊勢丹が13.1%増、高島屋が10.1%増、大丸松坂屋百貨店が7.2%増、そごう・西武が3.9%増(広島店、千葉店別館の閉店影響を除く)、阪急阪神百貨店が12.3%増。婦人服、紳士服共に前年同月を上回った高島屋は、「年末年始の外出機会増を見据え、ジャケットやワンピースがよく動いた」(同社)。そごう・西武の婦人服は前年同月比1%と割り込むも、月の後半は気温の低下で復調した。

春先も着られるセーター、ジャケットが動く

1月の初売りはそごう・西武が1日、三越伊勢丹と高島屋、大丸松坂屋百貨店、阪急阪神百貨店が2日に始まった。新型コロナウイルスが5類に移行、感染拡大防止のための営業制限が4年ぶりになくなったが、例年に比べて特段のにぎわいはなかった。

三越伊勢丹の基幹3店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)は1月2、3日の2日間で売上高が前年比2%増と、目立った押し上げ効果は見られなかった。ただ売れたものの中身を見てみると、セール商品が同8%減に対してプロパー(正価)商品が同8%増。「価格で妥協するのではなく、欲しいもの、価値のあるものが求められる」(同社広報)という傾向が鮮明になっている。伊勢丹新宿本店では、セール、プロパーに関わらず、薄手のセーターやジャケットといった春先まで着られる商品がよく売れた。福袋はコロナ禍から引き続き、大部分をECで販売した。

阪急阪神百貨店の阪急本店は初売り初日の2日、約2000人が並び列を作った。2〜3日累計の売上高、客数は共に前年並みという。元日が「一粒万倍日」だった影響からか、「ラグジュアリーブランドの革小物がよく売れた」(同社広報)。

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