1月8日発売の「WWDJAPAN」は、未来のファッション、「もしかしたら起こるかもしれない世界」の暮らしと装いについて、異業種と語り合っています。
三越伊勢丹は現在、リアルとメタ空間が交錯する138日にも及ぶビッグプロジェクト「フューチャー ファッション エキスポ(以下、FFE)」を主催しています。FFEでは、「雨の止まない世界」「空中で暮らす世界」「月を行き来する世界」「菌類に覆われた世界」「仮想空間で生きる世界」の5つを「もしかしたら起こるかもしれない世界」として、こんな世界で暮らす人々のファッションを一般公募。同社のメタバース空間「レヴ ワールズ」と、三越劇場で開催するファッションショーで、アイデアをメタとリアル空間で再現します。ちなみ5つの世界は、未来予報という会社が策定した「今日の社会課題や技術革新に基づく根拠から、2050年や60年代以降の未来に起こる可能性がある世界」です。
「ビームス」や「アンドワンダー」
ボルトスレッズに聞いた未来のファッション
そこで今回の「WWDJAPAN」は、この「雨の止まない世界」「空中で暮らす世界」「月を行き来する世界」「菌類に覆われた世界」「仮想空間で生きる世界」を業界人と異業種でディスカッション。ファッション業界人はこれまでの経験と、長い時間をかけて培ってきた個々人に寄り添ってライフスタイルや気持ちにまで思いを馳せる想像力を駆使して、5つの世界のファッションを予想・想像・妄想しています。座談会に参加してくださったのは、「雨の止まない世界」は防水やはっ水などの機能とファッションを融合する「アンドワンダー(AND WANDER)」、「空中で暮らす世界」は人類の活躍が空へと広がったことで起こった時計の革新に詳しい時計の専門メディア「クロノス ジャパン(CHRONOS JAPAN)」、「月を行き来する世界」は野口聡一宇宙飛行士のために宇宙服を作った「ビームス(BEAMS)」、「菌類に覆われた世界」はキノコ類の菌糸体を培養して作る“マイロ”を生み出したボルトスレッズ(BOLT THREADS)、そして「仮想空間で生きる世界」はワールド傘下のオープン ファッション。それぞれアーティストやJAXA、清水建設などが対談相手を務めています。
それぞれの対談は、思いも寄らぬ方向に進みます。「雨の止まない世界」では、雨が打つ音が“しっとり”したジャケットを選びたいという話に!?「空中で暮らす世界」では、高度1万mの高高度でも使用できる時計や6000mの深海でも使える時計の共通点から、ファッションの進化の方向性を見出しました。現段階における「空中で暮らす世界」で重要なのは、まさかの靴下。「菌類に覆われた世界」では、そもそもこの世界がディストピアではなく、地球とハーモニーを奏でるユートピアなのでは?という話が広がりました。「仮想空間で生きる世界」では、すっかり生成AIに主役の座を奪われた感があるメタバースの可能性についても論じています。少し先の未来を考えたり、想像力を広げようと試みたりする業界人にぜひ読んでいただければと思っています。
そのほかの特集は、昨年「LVMH ヤング ファッション デザイナー プライズ」でグランプリに輝いた「セッチュウ(SETCHU)」の桑田悟史デザイナーへのインタビュー、エレクトリック・コマースではなくエンターテインメント・コミュニティの頭文字であるECを目指すアダストリアを取り上げました。海外ページは、閑話休題。デザイナーにファッションショーのフィナーレに登場する時の洋服のこだわりについて聞いています。
ファッション&ビューティパトロールでは、辰年の開運グッズをまとめました。
(COVER CREDIT)
ART DIRECTION&DESIGN:RYO TOMIZUKA