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マッシュルームレザーのボルトスレッズ×齋藤帆奈が想像する「菌類に覆われた世界」のファッション 「起こるかもしれない5つの世界」座談会Vol.4

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  • PROFILE: 左から齋藤帆奈/現代美術作家、ダン・ウィドマイヤー/ボルトスレッズ共同創業者兼CEO
  • 菌類の可能性は、人間の理解領域が広がれば無限

人間が変えてしまった地球の姿は、記憶から消え去った。この世界では、菌類が地球を支配し、人間中心ではない新たな景観や暮らしが生まれているー。一見するとディストピア(反理想郷や暗黒世界のこと)な暮らしとファッションについて、菌類のスペシャリストたちはどう感じるのだろう?「菌類に覆われた世界」について考察するのは、野生の粘菌を採取・培養して研究と制作に用いている現代美術作家の齋藤帆奈と、キノコ類の菌糸体(マイセリウム)を培養して作る“マイロ”(Mylo)の生みの親、ダン・ウィドマイヤー(Dan Widmaier)=ボルトスレッズ(BOLT THREADS)共同創業者兼最高経営責任者(CEO)だ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月8日号からの抜粋です)

PROFILE: 左から齋藤帆奈/現代美術作家、ダン・ウィドマイヤー/ボルトスレッズ共同創業者兼CEO

左から齋藤帆奈/現代美術作家、ダン・ウィドマイヤー/ボルトスレッズ共同創業者兼CEO
PROFILE: (左)(さいとう・はんな)1988年生まれ。多摩美術大学工芸学科ガラスコースを卒業後、バイオアート領域での活動を開始。現在は東京大学大学院学際情報学府博士課程に在籍。理化学ガラスの制作技法によるガラス造形や、生物、有機物、画像解析等を用いて作品を制作しつつ、研究も行っている。近年では複数種の野生の粘菌を採取、培養し、研究と制作に用いている。主なテーマは、自然/社会、人間/非人間の区分を再考すること、表現者と表現対象の不可分性 (右)ワシントン大学卒業後、カリフォルニア大学で生物の再プログラミング機能について研究し、化学と化学生物学の博士号を取得。2009年にボルトスレッズを共同設立。12年には人工タンパク質が原料のシルク繊維“マイクロシルク”を開発した

菌類の可能性は、人間の理解領域が広がれば無限

WWDJAPAN(以下、WWD):「菌類に覆われた世界」の2人の印象は?

ダン・ウィドマイヤー=ボルトスレッズ共同創業者兼CEO(以下、ダン):私たちは、すでに「菌類に覆われた」ような世界を生きている。大都市でも土を掘れば菌類が存在するし、世界はすでに菌類の多様性に溢れている。

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