企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」「図解 アパレルゲームチェンジャー」の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回は中国の大手テック企業アリババ(ALIBABA)の注目ポイントを解説する。
昨年12月にアパレル経営者向け研修講師をしに中国・杭州へ行きました。中国で一緒に仕事するパートナーのツテでアリババ本社を訪問しました。ジャック・マー氏らによって1999年に創業された「To make it easy to do business anywhere(どこにいてもビジネスをしやすくする)」を企業ミッションとする中国最大のテック企業です。「Tモール」や「タオバオ(TAOBAO)」などの国内ECモール事業を基幹事業とし、世界最大流通総額(GMV)を誇ります。
アニュアルリポートを見ると、2022年3月期の同社のグローバルGMVは約161兆円。実に日本の全小売市場規模を上回る大きさです。直近の23年3月期だけは決算書に出ていませんでしたが、22年3月期までは伸び続けていました。グループ連結売上高は前期比微増の約16.9兆円。営業利益は約1.9兆円で、営業利益率は11.6%です。
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