世界の高級品市場は空前の好況が続いています。ハイブランドのアパレル、ハンドバッグ、時計、ジュエリー、化粧品などのあらゆる「高級品」は欧米の独壇場です。世界でも有数のモノ作りの技術を有する日本が、欧米ブランドと肩を並べて戦える「ジャパン・ラグジュアリー」を生み出すためには、何が必要なのでしょうか。本特集は海外に打って出るジャパンブランドの指針になる特集を目指しました。
元三越伊勢丹・大西氏×リシュモンジャパン・三木氏
ラグジュアリーのプロによる対談を収録
日本から世界で戦うブランドを育てるならば、自国の優れたモノ作りを集めて売る「場」を作ることが必要です。昨年12月22日、羽田空港の免税フロアに「ジャパンマスタリーコレクション(JMC)」がオープン。日本各地の伝統工芸品やファッション製品、雑貨などを集積し、訪日客にアピールするセレクトショップです。「日本の小売業は、海外のラグジュアリーブランドに頼りすぎている」という強い課題意識を持つ羽田未来総合研究所の大西洋社長(元三越伊勢丹ホールディングス社長)が、プロジェクトの陣頭指揮を取ります。本特集では大西氏と、ラグジュアリービジネスのプロである三木均リシュモン ジャパン社長の対談を収録。国産ラグジュアリーの未来形を探りました。
世界的ジュエラーのミキモトや、「ルイ・ヴィトン」「ディオール」のブティックの内装に使われる西陣織の老舗・細尾に代表されるような、「ジャパン・ラグジュアリー」の原石となる技術や製品が日本にはまだ数多く眠っています。情緒的なストーリーや別のクリエイションと掛け合わせれば、より輝きを増すはずです。日本ならではの価値を発揮し、欧州や北米の市場で手ごたえをつかむ「グランドセイコー」「オニツカタイガー」、Jビューティ3社の話も聞きました。
米「WWD」の翻訳記事からは、レザーの代替素材として注目される“マッシュルームレザー”についての深堀記事をピックアップ。2大新興企業、「マイコワークス」「ボルトスレッズ」のトップインタビューから、両社の現在地を探ります。
アパレル企業の決算書をプロの視点で分析する、齊藤孝浩ディマンドワークス代表による人気連載「ファッション業界のミカタ」は今回、中国の大手企業・アリババについて。24年の世界流通を変えるかもしれない、同社が企む「中国発の産地直送越境EC」とは!?
人気の巻末企画「ファッション&ビューティパトロール」は編集部の三澤記者による、題して「大人の修学旅行 in 福山」。ジャパンデニムの産地といえば岡山が有名ですが、それに負けない広島・福山のクラフトマンシップを体験してきたとのこと。これこそまさに、「ジャパン・ラグジュアリー」の一つの形なのでしょうか?必読です。
(COVER CREDIT)
PHOTO:HOUMI SAKATA(TRON)
HAIR & MAKE UP:KATSUYOSHI KOJIMA
MODEL:HINA(AVEX MANAGEMENT)
ART DIRECTION&DESIGN:RYO TOMIZUKA