「カルティエ(CARTIER)」のアイコン、“トリニティ”コレクションが今年、100周年を迎える。アニバーサリーを祝うこの1年は、融合と多様性のシンボルとしての普遍的なメッセージを、パリ、ロンドン、ニューヨークでのイベントとグローバルキャンペーンを通して発信する。相互に結び付く3都市でのセレブレーションイベントを皮切りに、「Love(愛)」「Universality(普遍性)」「Harmony(調和)」「Timelessness(タイムレス)」をキーワードに掲げ、さまざまな形で“トリニティ”を祝福する予定だ。
象徴的なデザインを再解釈した新作が登場
“トリニティ”の100周年を記念し、新たなモデルがコレクションに加わる。一つは、3色のゴールドからなる色彩と無駄を削ぎ落としたラインや可動性を保ちつつ、クッションシェイプ(角の丸い四角形)で再解釈したデザイン。オールゴールドまたはパヴェセッティングのダイヤモンドをあしらったリングをはじめ、ブレスレット、ペンダントをそろえる。もう一つは、環を動かすことで1本のリングにも3連リングにも形を変える“モジュール式”のユニークなリング。絡み合う3本の環は、広げるとパヴェセッティングのダイヤモンドがのぞき、きらめきを放つ。さらに、2004年に発表した存在感のあるXLサイズのブレスレットを復刻するほか、タイムレスでありながら現代的なXLサイズのリングも新たに登場する。
マリー・ロール・セレード(Marie-Laure Cerede)=「カルティエ」ジュエリー&ウォッチ クリエイティブ・ディレクターが、“トリニティ”を再解釈する上で目指したのは “トリニティ”の本質を表現することだという。「すでに完璧とも言える“トリニティ”を再解釈することは不可能にも思えたが、心に響くものができなければ世に出さないことを決め、自由に取り組んだ。目指したのは、3本のリングで成り立つデザインや滑らかな動き、動かす時に奏でられる音など、“トリニティ”の本質を表現すること。構想から完成まで、2年をかけて制作した」と振り返る。
「カルティエ」の“トリニティ”が誕生したのは、1924年のこと。三代目のルイ・カルティエ(Louis Cartier)の想像力により、無駄を削ぎ落とすことで美しいフォルムを際立たせながら、絡み合う3本の環が滑らかに動くデザインのリングが生み出された。以来、年齢や性別、国籍を問わない端正なデザインは、ジャン・コクトーやマドンナ、キャサリン妃といった著名人をはじめ、時代を超えて多くの人に愛され続けている。
ピンク、イエロー、ホワイトの3色のゴールドリングがつながり重なるタイムレスなデザインの“トリニティ”に込められているのは、調和と普遍性とともに表現する「愛」。伝統的に3本のリングは愛情、忠誠、友情を表していたが、現在その解釈は身に着ける人に委ねられ、無限に広がる多様な愛をたたえている。