ファッション

レトロ調、レッドカラー、フラワーモチーフ、シアー素材 「プライムタイム・エミー賞」レッドカーペッドから見る2024年トレンド

テレビ業界の優秀さを称える賞として権威を持つ「プライムタイム・エミー賞」。例年9月に開催される授賞式だが、映画俳優組合と脚本家組合のストライキが同時に発生したため、第75回「プライムタイム・エミー賞」授賞式は現地時間1月14日に米・ロサンゼルス、ピーコックシアターで開催された。レッドカーペッドには米ドラマ界で活躍するセレブリティーらが、アップカミングなトレンドを取り入れた装いで訪れた。本記事では、2024年のニュートレンドをほうふつとさせるセレブたちの着こなしトピックをご紹介。

レトロムードがレッドカーペッドのニュートレンドに

最近のセレブリティーらのレッドカーペッドルックには、ヘアメイクからドレスまでレトロなエッセンスが取り入れられている。ビンテージドレスやクラシカルな髪型、ビビッドなレッドリップまで、セレブたちのコーディネートをラインアップ。

クリスティーナ・リッチ(Christina Ricci)


「アダムス・ファミリー(The Addams Family)」でウェンズデーを演じた俳優クリスティーナは、ジュリア・フォン・ベーム(Julia von Boehm)が「サンローラン(SAINT LAURENT)」の黒いガウンでスタイリング。黒のベルベットのガウンは20年代を思わせるシルエットで、髪型は1920年代に流行したフラッパーボブ風に仕上げた。「アダムス・ファミリー」のモーティシア・アダムス(Morticia Addams)をほうふつとさせるゴシックなルックで、深いネックラインで強い女性像を際立たせる。ガウンとお揃いのクラッチバッグ、エメラルドやダイヤモンドを組み合わせた「マーティン・カッツ(MARTIN KATZ)」のジュエリーで華やかさを加えた。

キャサリン・ハイグル(Katherine Heigl)


キャサリンの「リーム・アクラ(REEM ACRA)」の赤のアンサンブルは、古典的なハリウッドにインスパイアされたようだ。ハートようなネックライン、ウエストのまばゆい宝石、流れるようなトレーンが特徴的。ストラップレスのマーメイドガウンに、「ラハミノフ・ダイヤモンド(RAHAMINOV DIAMONDS)」のジュエリーを組み合わせた。緋色の口紅と毛先をカールさせたブロンドのボブでクラシカルに仕上げた。

イッサ・レイ(Issa Rae)


ウーリ・ヴァイス(Wouri Vice)がスタイリングしたイッサは、「パメラ・ローランド(PAMELLA ROLAND)」の2024年春プレタポルテ・コレクションのガウンと「マッハ&マッハ(MACH & MACH)」のバッグを身にまとった。オフホワイトのフェザーのガウンには襟からシースルーの袖まで、全体が宝石で飾られている。

キャリスタ・フロックハート(Calista Flockhart)


キャリスタはエリザベス・スチュワート(Elizabeth Stewart)のスタイリングで、「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」の2023年春クチュールコレクションのドレスを着用。鮮やかなブルーのボタンダウンボディーには、80年代のフリルを思わせる黒いフリルとポインテッドカラーがあしらわれている。スカートのシルエットは50年代のプードル・スカート風だ。

ジョーン・コリンズ(Joan Collins)


「ダイナスティ(Dynasty)」などを代表作にもつジョーンもまた、70年代からのインスピレーションをワードローブに。まばゆいライトブルーのスパンコールドレスに、お揃いのケープをまとった。サテンのオペラグローブ、そして人目を引くカフブレスレットやシャンデリアイヤリングなどのシルバージュエリーといった全身きらびやかなパーティー・ルックでセレモニーを祝福。

鮮烈な赤ドレスで飾る“レッド・ルネッサンス”

レッドカーペットと同様の燃えるようなレッドカラーを選び、新年にレッドカラートレンドを持ち込んだセレブリティーも。どのコーディネートも比較的ミニマルな着こなしが印象的で、赤を主張した“レッド・ルネッサンス”トレンドの火付け役となりそうだ。

スキ・ウォーターハウス(Suki Waterhouse)


スキが着こなしたボリュームたっぷりのガウンは、「ヴァレンティノ(VALENTINO)」の2023年春クチュールコレクションのもの。妊娠のため大きくなったお腹に合わせてアレンジされたこのドレスは、カットアウトとウエストラインのリボンが特徴。モデル兼女優、そしてアーティストである彼女は、「ティファニー(TIFFANY & CO.)」のダイヤモンド・ジュエリーで輝きをプラス。スタイリングを担当したのは、ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)、ハイディ・クルム(Heidi Klum)、ハイリー・スタインフェルド(Hailee Steinfeld)のスタイリングでも知られるロブ・ザンガルディ(Rob Zangardi)とマリエル・ヘン(Mariel Haenn)。

メーガン・フェイヒー(Meghann Fahy)


「ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾート(The White Lotus)」のメーガンがセレクトしたのは、「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」のベルベットガウン。ストラップレスの胸元にはフラワーモチーフの装飾があしらわれている。ダイヤモンドをちりばめた「ブルガリ(BVLGARI)」のジュエリーを手元に添えた。

カミラ・モローネ(Camila Morrone)


カミラは「アトリエ ヴェルサーチェ(ATELIER VERSACE)」のコルセット付きガウンを着用。「デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃(Daisy Jones & the Six)」のスター女優である彼女は、ジュエリーをつけずシンプルにまとめた。オースティン・バトラー(Austin Butler)、レディー・ガガ(Lady Gaga)、マギー・ギレンホール(Maggie Gyllenhaal)らA級スターのスタイリングを手がけるサンドラ・アマドール(Sandra Amador)が、カミラの「エミー賞」ルックをキュレートした。

サラ・スヌーク(Sarah Snook)


サラがまとった「ヴィヴィアン・ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)」のコルセット付きガウンは、レイヤード風のスカートと大きく開いたネックラインが印象的だ。「メディア王 〜華麗なる一族〜(Succession)」の主演である彼女の胸元に輝くダイヤモンド・ジュエリーは、「カルティエ(CARTIER)」が提供したもの。スタイリングを担当したのは、ケイト・マッキノン(Kate McKinnon)、ロサンゼルス出身の姉妹バンド・ハイム(Haim)、ジョディ・フォスター(Jodie Foster)のドレスも手がけるレベッカ・グライス(Rebecca Grice)。

“ブルーミング”な美学で2024年の幕開け

今回のレッドカーペッドでは、花のモチーフもトレンドのひとつに。駆けつけたセレブリティーらは、花柄の刺しゅうやバラの立体モチーフ、鮮やかなプリントで“ブルーミング”な美学を取り入れた。

ドナルド・グローヴァー(Donald Glover)


「ボーディー(BODE)」2023年秋のプレタポルテ・コレクションから、花柄の刺しゅうが随所にあしらわれたスーツを着用したドナルド。ジャケットの3つのポケット、パンツの前ポケット2つ、そしてパンツの脚には、リッチなベルベットに映えるパステルカラーの花々があしらわれている。

アンソニー・アンダーソン(Anthony Anderson)


アンソニーはイタリアのファッションブランド「エトロ(ETRO)」のクラシックな白黒のスーツと蝶ネクタイでレッドカーペットへ。ブレザーには大きな赤いユリの刺繍が施され、伝統的なルックをモダンな方向へとアップデートしている。

ベアトリス・グラノ(Beatrice Granno)


ベアトリスは「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ」2023年秋のクチュールコレクションのブラックガウンに、「クリスチャン ルブタン(CHRISTIAN LOUBOUTIN)」のシューズと「カルティエ」のジュエリーを合わせた。スリムなこのドレスは、ストラップレスのネックラインを立体的なバラの花で飾ったようなデザインが特徴だ。赤いバラのディテールに合わせ、ネイルもレッドでコーディネート。

ジェナ・オルテガ(Jenna Ortega)


エンリケ・メレンデス(Enrique Melendez)がスタイリングしたジェナは、レッドカーペットで「クリスチャン ディオール(CHRISTIAN DIOR)」のオートクチュールの花柄ガウンを着用した。ライトグリーンのドレスは、庭園のトレリス(棚)に沿って成長する花を連想させる装飾で覆われている。ドレスに合わせたネックレス、リング、ブレスレットでドレッシーなムードを加速した。

シモーナ・タバスコ(Simona Tabasco)


シモーナは「マルニ(MARNI)」2024年春プレタポルテ・コレクションから、色鮮やかなフラワードレスと「カルティエ」のジュエリーをチョイス。さまざまな花が無限に重なり合う、まるでポップアートのようなドレスだ。

アリ・ウォン(Ali Wong)


アリは「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のガウンと「メイ・キャシディ(MAE CASSIDY)」のバッグでコーディネートしたタラ・スウェネン(Tara Swennen)のスタイリングで登場。ボディーコンシャスなシルバーのトップと、フラワー柄で覆われたブルーのスカートがメリハリのあるドレスルックを作り上げた。

ゴシックなインスピレーションを加えたシアードレス

セレーナ・ゴメス(Selena Gomez)


「ゴールデングローブ賞」に続き、センシュアルなシアー素材も人気ルックに。「マーダーズ・イン・ビルディング(Only Murders in the Building)」に出演したセレーナ・ゴメス(Selena Gomez)は、45万個のスパンコールが刺しゅうされた「オスカー・デ・ラ・レンタ(OSCAR DE LA RENTA)」の特注ドレスを着用した。エリン・ウォルシュ(Erin Walsh)がスタイリングを担当した彼女のストラップレスドレスは、「オスカー・デ・ラ・レンタ」2024年プレフォールコレクションにも登場したシダのクリスタルモチーフがあしらわれている。
このドレスに「タイラー・エリス(TYLER ELLIS)」のクラッチバッグ、「ティファニー」の“ジャン・シュランバージェ”ジュエリーを合わせた。プラチナとイエローゴールドのネックレスには、モルガナイト、ダイヤモンド、ピンクサファイアがあしらわれている。

昨今注目度が高いシアードレスだが、セレーナのルックは透明感だけではなく、ややゴシックなインスピレーションを取り入れたのが特徴的だ。ネイリストのトム・バチック(Tom Bachik)は自身でネイルカラーを作り上げ、“ゴシック・グラム・ブラック・チェリー”と名付けた。トムはインスタグラムの投稿で「セレーナのドレスの複雑なパターンを引き立たせるために、カスタムカラーが不可欠だった」と明かしている。メイクアップアーティストのハング・ヴァンゴ・ゴメス(Hung Vanngo Gomez )は、スモーキーアイ、まつ毛エクステ、深紅のマットリップで、ドレスに合わせたダークロマンスな世界観を作り出した。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。