ココ・シャネル(Coco Chanel)やイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)ら多くのデザイナーたちは、アートをクリエイションの糧にしてきました。アートとファッションは長年寄り添って歩んできましたが、ここ最近、その関係はより密接になっています。ラグジュアリー・ブランドとアーティストのコラボで、アートが消費者にとって、ぐっと身近なものになりました。百貨店などの小売りもアートを強化。ファッションメディアもアート特集を組むようになりました。なぜ今、ファッションとアートが急接近するのか、その背景と理由を探ったのがこの特集です。
「GQ JAPAN」×「ハーパーズ バザー(HARPER’S BAZAAR)」×「ARTnews JAPAN」編集長鼎談
メディアが捉えるファッションとアートの関係
ファッションとアートが急接近する現状をメディアはどのように捉えているのでしょうか?昨年リニューアルでアートを特集した「GQ JAPAN」とアート別冊を創刊した「ハーパーズ バザー」、そして、アートを軸に、ファッションとアートの取り組みもフィーチャーする「ARTnews JAPAN」の編集長3人に、ファッションとアートの関係性や相互作用について語ってもらいました。ファッションおよびアート業界で今起きていることや、メディアがアートにフォーカスする理由などを通して、ファッションとアートが今どのように融合し、未来に向かうのかを探る鼎談です。
メディアだけでなく百貨店やセレクトショップといったビジネスの現場においてもアートは重要性を増しています。社会構造が変化し、IT関連の経営者など若手富裕層が急増しました。「経営だけでなくアートも語れる」ことが彼らにとってアートがステータスに。百貨店外商がそれら新富裕層にアプローチする切り札がアートです。ライフスタイルを提案するセレクトショップにとってもアートは、消費者の感性に訴える要素になっています。特集では、三越日本橋本店などの百貨店やパルコ、ユナイテッドアローズやビームスなどのセレクトショップの取り組みを紹介しています。
また、都内で最もアートな場所の一つである「カーサロエベ表参道」を、美術手帳オンラインの橋爪勇介編集長と巡ります。
米「WWD」の翻訳記事からは、「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」の下着広告のバズりによる18億円の経済効果をはじめ、「ルルレモン(LULU LEMON)」の新クリエイティブ・ディレクターに元「リーバイス(LEVIS)」のジョナサン・チャン就任のニュースなどを紹介しています。
ビューティ賢者が持論展開する「ビューティ・インサイト」では、寺山イク子オリエンタル代表が、花王による30年続いた「オーブ(AUBE)」の終了や「ケイト(KATE)」の“リップモンスター”の新プロモーションを取り上げて、メイクアップの“色物”商戦の将来について語っています。
人気の巻末企画「ファッション&ビューティパトロール」は、最新の台湾ガイドです。台湾と日本のファッション業界を長年つないできた李カンジン「L.DOPE」代表を案内役に、台湾で行くべきファッションスポットを紹介しています。
(COVER CREDIT)
PHOTO : JUNPEI KATO
ART DIRECTION & DESIGN : RYO TOMIZUKA
PLACE : H BEAUTY&YOUTH