今年10周年を迎える「ツナギ ジャパン(TUNAGI JAPAN)」は、東京・渋谷のビンテージセレクトショップだ。これまでは井澤元気オーナーが厳選した古着を中心にオリジナルブランドのアイテムを取りそろえていたが、1月にはラグジュアリーブランドのビンテージアイテムの取り扱いもスタートした。
店名に込めた思いは、“日本中の笑顔をつなげる”
井澤オーナーは大学卒業後、大手アパレルに入社し販売経験を積む。学生の頃から古着が好きだったこともあり、28歳で「ツナギ ジャパン」を立ち上げた。店名の「ツナギ ジャパン」に込めた思いは、“日本中の笑顔をつなげる”。「ただ服を売るだけの店は、ほかにもある。私は、大切にしている人や好きな人同士が集まれる、つながれる場所を作りたかった。実際にここで生まれたつながりは、お客さまとスタッフが友人なったり、お客さま同士が仕事仲間になったケースもある」。
海外だけでなく、スタイリストからも買い付ける
ビンテージのラグジュアリーアイテムの取り扱いは、かつて2度イベントとして開催したことがあるが、このほど常時取り扱うことに決めた。「ハイブランドのビンテージアイテムが好きなこともあり、ずっと手掛けたいとは思っていたが、コロナなどの影響もあって思いとどまっていた。23年5月に店舗を移転し、落ち着いたこのタイミングで本格的にスタートしようと思った」と井澤オーナー。
現在並んでいる商品は、「プラダ(PRADA)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」の3ブランドを主軸に、「ジョン・ガリアーノ(JOHN GALLIANO)」や「ウェールズ ボナー(WALES BONNER)」など、ほかの古着屋ではあまり見かけないブランドも並ぶ。買い付けは主にアメリカとフランス、イギリスの3カ国に加え、スタイリストからも行っているそう。「過去に撮影で使用した洋服や私物を買い取る。使用頻度が少ないこともあってか、かなり状態の良いアイテムが手に入る」と、少し珍しい買い付けのルートも教えてくれた。
アイテム一つひとつが引き立つ開放的な店内
店内は和モダンな空間で、無機質なコンクリートの内装に、“枯山水”や提灯型のデザインライトなどの和の要素が散りばめられている。広く開放感があり、商品をゆっくりと見ることが可能だ。
商品が窮屈に見えないよう、並べる間隔にゆとりを持たせているため視認性が良い。ディスプレーは古着とオリジナルアイテムをミックスし、来店客がワードローブにビンテージ古着を1点プラスするコーディネートをイメージしやすいよう工夫している。
井澤オーナーが選ぶ目玉アイテム5選
約150点のビンテージアイテムが並ぶ中、井澤オーナーに注目の品を5つ聞いた。
「プラダ」のジャケット
「ブラックとホワイトの2色をそろえているが、ボタンの数やポケットの数など、それぞれデザインが少しちがう。シルエットが美しくトレンドに囚われないデザインで、コーディネートに迷った時はつい手が伸びてしまう。『プラダ』の永遠の定番アイテムになるだろうと思い、常時店頭に置けるよう買い付けを強化する予定だ」。
「ジョン・ガリアーノ」のレザージャケット
「重厚感のある、当時の空気感を反映しているような形とデザイン。ジョン・ガリアーノ(John Galliano)は、現在『メゾン マルジェラ』のデザイナーを務めているが、今のデザインにもつながるストーリー性のある一着だと思う。個人的にはコレクションとして購入したい」。
「メゾン マルジェラ」のピーコート
「ブランドのアイコニックなマークである首元後ろのステッチがないピーコートだ。袖口が狭くなっている、かつ丸みのあるシルエットなので今の時代に合っているデザイン」。
「ドリス ヴァン ノッテン」のスエット
「『ドリス ヴァン ノッテン』の定番だが、シーズンなどによってカラーや仕様が少し変わる。その年代によってオーバーサイズになったり、体にフィットする形になったり。一枚でコーディネートが成り立つし、シャツなどをレイヤードしてもまとまる。古着初心者でもトライしやすいアイテムだ」。
「プラダ」のパンツ
「『プラダ』っぽくないミリタリーの表現が珍しいと思いセレクト。ポケットは取り外し可能で、お尻や足元など、好きなところにつけられるユニークな仕様になっている」。
■「TUNAGI JAPAN」
営業時間:13:00〜20:00
住所:東京都渋谷区神南1-17-3 サンビル2階