外商ビジネスを強化している百貨店が今、こぞって注力しているのがアートだ。多くの百貨店にはアートを販売してきた歴史があるが、ダウントレンドだった時期もあった。ところが、コロナ禍で家の中の豊かさを求めるようになり、アートへの関心が高まった。現代アートブームの影響もあり、特に若年富裕層の間では、現代アートを所有することがステータスになりつつある。宝飾、時計など関心のあるものは所有済み、物質的充足感以上の何かを探している富裕層に刺さるのがアートなのだ。百貨店3社および、大丸松坂屋と同じくJ.フロントリテイリングの傘下であるパルコの動向についてリポートする。(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月22日号からの抜粋です)
渋谷パルコ
若年層がアートに興味を持つ場に
渋谷パルコは創業以来、世界の気鋭のクリエイターやアーティストと協業してきた。パルコミュージアムでは、さまざまな展覧会を開きアートの販売にも注力。100万円以上の作品も売れるようになった。アートをTシャツなどのファッションやグッズに落とし込んで、販売もしている。パルコ宣伝部の手塚千尋部長は、「アートやカルチャー全般に力を入れるのは、企業としてのパーパスの一つ」と言う。
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