ファッション

2023年ファッション界を揺るがした主要キーワード “バレエコア”や“ブロークコア”などどれだけ知ってる?

2023年はクワイエットラグジュアリーがトレンドの潮流であった一方、MZ世代(ミレニアル世代とZ世代の2つを合わせた世代)の目新しい個性を満たすための「コア」トレンドが生まれた。日常的で普通のスタイルを意味する“ノームコア(Normcore)”に、ユニークなアイテム、スタイルを組み合わせた“◯◯コア”トレンドは、TikTokのアルゴリズムの流れに乗って流行し、セレブの素敵な衣装を真似るなどのユニークで華やかなデザインや、予測不可能とも言えるトレンドへの転換でMZ世代の心を掴んだ。ここでは「WWDKOREA」が掲載した4つの「コア」トレンドを紹介する。

キーワード1. バレエコア

レイヤーを重ねたレッグウォーマーとバレエシューズ、クロップトップとチュチュスカートの組み合わせは“バレエコア”の代表的なスタイル。愛らしくエレガントな魅力は、フェミニンさを求める人々の注目を集めた。最も流行させた主人公は、BLACKPINKのジェニー(JENNIE)。ジェニーはワールドツアー中でのソロステージ「You and Me」でさまざまなカラーとコンセプトの“バレエコア”ルックを披露した。

そんなジェニーのスタイルに夢中になった「シャネル(CHANEL)」がカスタム衣装を制作するなど、彼女の“バレエコア”スタイルは世界的に注目。フリルやレースストッキングなどの女性らしいディテールが多く使われ、薄いメッシュ素材を活用して儚くピュアなムードを演出することもある。“バレエコア”の人気により、リボンの人気も一気に高まった。バレエコアの代表的なコレクションは「ミュウミュウ(MIU MIU)」の2022-23年秋冬コレクション。

キーワード2. ブロークコア

サッカーユニホームをウエアラブルでスタイリッシュな日常服に応用した“ブロークコア”は、「奴・野郎」を意味するスラングのブローク(Bloke)のように、スポーティーで自由奔放な雰囲気を生かしている。ボクシーなTシャツにゆったりとしたジョガーパンツ、「アディダス(ADIDAS)」のスニーカーとの組み合わせが“ブロークコア”ルックが代表例。このスタイルは、MZ世代の新しい消費トレンドとして定着したレトロなスタイルを現代的に再解釈している。“ブロークコア”をうまく消化したセレブはニュージーンズ(NewJeans)だ。

ニュージーンズはデビュー曲「Attention」のステージとミュージックビデオでオーバーフィットのスポーツユニホームにショートパンツとニーソックスを合わせ、MZ世代に新鮮な印象を与え注目された。“ブロークコア”を代表するブランドは「アディダス」で、2022年に“スポーツ生まれ、ふだん使い”をテーマにした新レーベル「アディダス スポーツウェア(ADIDAS SPORTSWEAR)」を立ち上げ、スポーツウエアにファッショナブルなスタイルを加えたアイテムで“ブロークコア”をリードした。「ウェールズ ボナー(WALES BONNER)」と「マーティン ローズ(MARTINE ROSE)」もトレンディーな“ブロークコア”アイテムを発表しているブランドだ。

キーワード3. バービーコア

マーゴット・ロビー(Margot Robbie)とライアン・ゴスリング(Ryan Gosling)が出演したグレタ・ガーウィグ(Greta Gerwig)監督の映画「バービー」が全世界をピンク色に染めた。昨年6月にピンク色の服を着たマーゴ・ロビーの写真が公開された後、世界的なオンラインショッピングプラットフォーム、リスト(LYST)でピンクに関連する全ての物品の検索量がなんと416%増加したという。

強烈なピンク色とポジティブで堂々としたキャラクターはデザイナーの心を躍らせ、「ザラ(ZARA)」、「クロックス(CROCS)」、「ギャップ(GAP)」など多くのブランドが「バービー」とコラボしてピンク色のコレクションを発売した。「バービー」の映画が公開されたのはかなり前なのに、まだトレンドの話をするのか?(と思った人もいるだろう。) 北米公開日が同じで「バービー」と「オッペンハイマー」を結びつけたインターネットのミーム「バーベンハイマー(Barbenheimer)」を覚えているだろうか。 ハリウッドリポーターによると、実際に2つの映画が出合い「バーベンハイマー」として帰ってくるそうだ。2024年中に撮影を開始する予定との事だが、もしかしたらまた映画の人気に支えられファッション業界を支配するかも?

キーワード4. ゴープコア

“ゴープコア”のゴープ(GORP)は、アウトドア活動をする際に主に持っていくおやつであるグラノーラ(granola)、オート (oat)、レーズン(raisin)、ピーナッツ(peanut)の頭文字を合わせた略語を意味する。新型コロナウイルス感染症の流行以降、ファッションアイテムの主な消費者であるMZ世代が自然にアウトドア活動を楽しむようになり、機能性衣類やアノラック、ゴム紐バンディングのナイロンパンツの様な快適なアイテムを日常服としてスタイリッシュに着こなす人が増加した。 特に、韓国俳優のチュ・ウジェ(Joo Woo Jae)はウィンドブレーカーとカーゴパンツをマッチさせ、“ゴープコア”ルックのリーダーとして浮上した。ラグジュアリーブランドも“ゴープコア”コアトレンドに参加した。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」2024年春夏コレクションや「ディオール(DIOR)」2023-24年秋冬メンズ・コレクションなど、多くのブランドが活動性と快適性を強調したナイロン素材のアイテムを発表したことが分かる。実用的でありながらファッショナブルな“ゴープコア”は今後も持続的に消費されると思われる。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。