中国・上海で開催された下着、水着、アクティブウエアを展開するブランドが対象のコンテスト「ヤングレーベルアワード2023(以下、YLA)」で、サニタリーショーツを柱に展開するブランド「ケープラスワンパーセント(K+1%)」が3位に入賞した。同アワードを主催するのは、下着等の総合見本市「パリ国際ランジェリー展」や素材や資材展の「アンテルフィリエール」などを開催するユーロヴェットのアジア部門。18年から開催されている「YLA」は、デビューから10年以内のブランドが対象で、新しいブランドとビジネスパートナーとの出合いを提供している。審査員を務めるのは、下着・水着専門のコンサルティング会社コンセプトパリのジョス・ベリーCEO兼創設者や「ザ シェイプ オブ ザ シーズン(THE SHAPE OF THE SEASON)」のマチュー・ピネ創設者など6人。日本からは筆者が参加した。
「YLA」には、計8ブランドがエントリーした。審査の結果、1位は中国発「ル モンド プライベート( LE MONDE PRIVATE以下、ル モンド)」、2位に中国発「フォーベットフェロー(FOR BED FELLOW)」、3位に「K+1%」が選ばれた。1位の「ル モンド」は上質なシルク素材に繊細なリバーレースを合わせたヨーロピアンテイストのエレガントなランジェリー。セクシーさと着心地の良さを追求し、特別な時間を演出する下着を提案する。2位の「フォーベットフェロー」は、トレンドのカラーとユニークなカッティングを融合させ、着心地のいい下着や水着を展開するブランド。3位にランクインした日本発「K+1%」は、ファッション性を備えたサニタリーショーツを中心に、レギュラーショーツやソング、それらとコーディネートできるノンワイヤーブラを展開する。主販路は自社ECだが、百貨店でのポップアップイベントも積極的に行っており、海外見本市への出展もしている。
中国らしさを若い感覚で表現
入賞を逃したブランドにも光るものが見られた。印象的なのは、中国らしさを若い感覚で表現するブランドのクリエイションだ。「シルキンク(SILKINC)」はチャイニーズホロスコープに基づき、ウサギ柄やドラゴン柄のシルクラウンジウエアを展開。モダンなデザインに中国らしいストーリーを盛り込んでいる。「ルーナマイン(LUUNA MINE)」は、中国でラッキーモチーフの月をモチーフのプリントを中心にしている。「リファリファー(REFER REFER)」は中国の伝統衣装をまとった女性を刺しゅうしたノンワイヤーブラを提案している。コロナ前の19年にはなかった動きだ。これらを見ると、中国ブランドであることに誇りを持ち、そのアイデンティティーを携えて世界に挑戦しようとする中国若手デザイナーの意気込みを感じる。
第5回「YLA」は24年9月に開催を予定している。