大手商社の兼松は1月25日、スパイバーに出資すると発表した。出資額は非公表。スパイバーは2022年からタイで、同社が独自に開発した人工タンパク質素材「ブリュード・プロテイン(BREWED PROTEIN)」原料の量産を開始しており、兼松と組むことで、繊維以外の用途開拓を加速する。兼松は昨年10月にM&Aやグループ横断の事業創出を目的とした、社長直轄の「グループ成長戦略推進室」を設置しており、部門横断型で、非石油由来の化学品や自動車、エレクトロニクス部材などの事業創出につなげる。
スパイバーは昨年10月にも小松マテーレとの資本提携を含む「共創パートナーシップ」を発表し、「ブリュード・プロテイン」を使った透湿防水膜や代替レザーの開発など進める共同開発に着手していた。
スパイバーは現在タイに加え、米国の穀物メジャーであるアーチャー・ミッドランド・ダニエルズ(ADM)の出資を受けて同社の拠点内に数千トン規模の大型原料プラントの準備も進めている。
原料の量産化に伴い、先行する繊維・アパレル分野では製品開発を、繊維以外では用途開拓を加速している。