ビューティ

資生堂「バウム」がスキンケア刷新 肌効果があるヒノキに着目

資生堂のスキン&マインドブランド「バウム(BAUM)」は4月18日、スキンケアライン5品(化粧水、エッセンスオイル、乳液2種、クリーム)をリニューアルする。価格は据え置き。新たに、肌効果のあるヒノキに着目した成分を配合するほか、アルコール(エタノール)フリー処方を採用。スキンケアシリーズ共通の香り“ウッドランドウインズ”の香りをベースに、天然ヒノキの香りを調香した。

「バウム」は、ブランドの中心客層である2O代〜30代前半は「特定の肌悩みが顕在化していない世代」と捉えており、その中でもナチュラルスキンケアを好む人は、肌負担をかけずに肌をベストな状態に保ち、未来に向けて健やかな肌を育むことを求めているという。そこで、ブランドが考える「理想の肌」を実現するために、強度や調湿力、抗菌力や抗酸化力を兼ね備えるヒノキに着目。3年の期間を経て“ひのき水”に肌効果があることを見出した。“ひのき水”は、「バウム」が特別提携する四国の森林で育ったヒノキから抽出。肌の貯水力を高めて潤いバランスを整えながら、乾燥や環境ダメージに負けない肌に導く。

サステナブルな循環を促進する取り組みでは、店頭で従前のオーク(ナラ)の苗木とともにヒノキの苗木を育てている。それを愛媛県新居浜市と住友林業、資生堂で協定を結び市有林の一部を借り受けた「BAUMオークの森」に植樹する計画で、最初の植樹は5月を予定する。

毎年2ケタ成長を維持

「バウム」は2020年6月に誕生。「樹木との共生」をテーマに、パラベンやシリコーン、合成着色料を使用せず、90%以上を自然由来の素材で構成したスキンケア、フレグランス、ハンド&ボディーケアなどをラインアップする。現在、主要都市を中心に百貨店やセミセルフで26店舗(内、免税店2店)を展開。男女比は2:8であるが男女カップルでシェアする人も多い。ギフト需要を取り込むほかリピート客も増加し、毎年2ケタ成長を続けている。

デビュー時はコロナ禍に見舞われたが、インフルエンサーを通じたSNS施策を中心に情緒的価値を訴求してきた。店頭では、香りをフックにコミュニケーションを広げ、ブランドが提唱する“森林浴美容”の体験を提供してきた。購入客の9割が香りを気に入っており「肌と心をととのえる、深呼吸しながらスキンケアをするという新しい習慣が根付いている」(カレメルアズサ「バウム」マネージャー)。木製家具メーカー「カリモク家具」と協業した木製パッケージも好評で「大切に使っていただくお客さまが多くレフィルの購入も目立つ」とスキンケアのリピーター客が多いという。

全体の売り上げシェアは、スキンケアカテゴリーと香りカテゴリーで半々であり「資生堂の中では珍しい」と述べる。「デビュー当初は価格帯から年齢層が高いお客さまを想定してたが、蓋を開けてみると若年層のお客さまから支持を集めていた。一方で昨年2月から販売する“アロマティック スリーピングマスク”をきっかけにブランドの知名度も広がり、40代のお客さまも取り込めている。今後、アンチエイジング商品のラインアップを拡充し、客層の幅を広げていきたい」と意気込む。

1月31日には、伊勢丹新宿本店本館地下2階のビューティアポセカリーに出店するほか、年内に複数店舗をオープンする計画だ。

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