リーバイ・ストラウス(LEVI STRAUSS以下、リーバイス)は、同社が商標登録しているバックポケットの縁に縫い付けるタブの商標権を「ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)」が侵害しているなどとして、侵害品の製造差し止めなどを求めて提訴した。
リーバイスは、「訴訟を避けてこの問題を解決しようと何度も試みたにもかかわらず、『ブルネロ クチネリ』はタブの使用を中止することを拒否し、現在も侵害品を販売・宣伝し、生産を増やしている」と主張する。ブルネロ・クチネリ本人は、米「WWD」の取材に対して、「常にクリエイションのオリジナリティーとビジネスの誠実さを大切にしてきた」とコメントした。また、「われわれの意図は、他人のブランドやアイデアを悪用したり、侵害したりすることではないし、これからもない。知的財産の価値を理解し、市場における各ブランドの個性を尊重している。リーバイスが提起した懸念を考慮しつつも、消費者の混同を招くリスクは一切ないと考えている。われわれが使用している装飾はデザインも目的も異なり、ロゴではなく装飾品であることは明らかだ」と述べた。
リーバイスは、1936年からパンツのバックポケットにタブをあしらうようになった。このタブの目的は、「リーバイス社の製品を“目で識別する”こと」だったという。「タブの識別性の高さを考えると、他メーカーがバックポケットに色の付いたタブを付けるのは、当社の商標を模倣し、消費者を混乱させるという明確かつ唯一の目的以外にあり得ない」と主張した。同社は商標登録したタブを継続的に使用し、年間何百万というジーンズ、ジャケット、その他商品にタブを付けて販売してきたという。