ファッション

三越銀座店の化粧品フロアが大規模改装 目玉は「ジャパンビューティーセレクトゾーン」

 三越銀座店の化粧品フロアは、8月下旬から順次改装を行い、9月16日にグランドオープンする。目玉は「ジャパンビューティーセレクトゾーン」の新設。メイクアップを中心に日本製・日本ブランドを集積し、本当に良いモノ、自分に合う心地よいモノを求める人に向けて発信する売り場へと進化する。2015年の売上高は、前年比130%を目指す。

 今回の改装について、佐藤希奈佳・婦人雑貨統括部 婦人雑貨第三商品部 化粧品バイヤーは、「三越銀座店は、10年9月のリモデル以来、外国人客、日本人客共に増加。売り上げも年々拡大し、14年は11年に比べ約166%と伸長した。こういった背景から、売り場が手狭で席数も不足し、顧客満足が図れていない」と述べ、その改善策として、売り場面積をこれまでよりも約200平方メートル拡大。より快適な売り場を演出する。

 売り場作りでは、比較購買、買い回りを促進するブランドを導入。これまでより14ブランド増え、約90ブランドとなる。新しい発信は「ジャパンビューティーセレクトゾーン」の開設だ。同ゾーンは、銀座エリアで注目が集まり増加する外国人に向けてというよりは、メーン顧客となる日本人への発信が強い。三越銀座店には、今年中に市中免税店が開設され、外国人客の多くは、市中免税売り場に流れると予想される。そういった背景もあるが、「近年の来店客数は、外国人だけでなく、日本人客も増加し、14年は前年比110%、さらに国産ブランドの日本人客が同120 %と伸長する」。近年の日本人顧客の購買動向を分析すると、「11年の震災以降、自分にとって本当に必要なものや、世の中で売れているという安心感のあるものを購入したいというニーズが高まり、そこで今まで以上に国産のスキンケアが改めて注目され、人気を集めることになった」と結論付けた。

 顧客動向を踏まえた上で、「戦後銀座は、日本の中心であり、今も変わらず日本を代表する街である。いわば、世界と日本をつなぐ街。世界の良いモノが銀座を通してどんどん入ってきていたが、これからは、銀座を通して日本の良いモノを発信したい」といった思いがある。さらに銀座という街のイメージからトレンド感のある提案も必須とし、「日本のメイクアップを中心に、ヘアケア、ボディーケア、美容機器、ツール、美容雑貨を集積したゾーンを形成する」。既存のジャパンブランドに加え、新たなブランドは、「ジルスチュアート」「キッカ」「ポール&ジョー」のメイクブランドの他、「ラ・カスタ」「イースタンダード」などのヘアケア、パナソニックが新規で加わり、新しいゾーンを形成する。

 また、「ジャパンビューティーセレクトゾーン」の中心に、「THREE」を拡大移設する。直営店同様のフルラインアップとし、ブランドの世界観を発信する。「先進的かつ、日本ならではの素材を大事にし、トレンドをけん引するブランドだからこそ、ある程度の世界観を表現できる場所に移設した。さまざまなブランドとの相乗効果も期待する」と自信を見せる。さらに、資生堂との提携で注目を集める「バーバリー」のショップ「ビューティ ボックス」をオープンする。「ファッションブランドとして再スタートを切ったブランドとしても注目だ。新たなお客さまの取り込みにも期待する。また、デジタル施策も行っているブランドで、新鮮な提案ができるのでは」と狙いを語る。その他のゾーンの、新規ブランドは、「クリニーク」「NARS」。

 さらに、フレグランスコーナーは、隣接していたイベントスペース(Gスペース)まで拡大。「日本のマーケットでフレグランスはもっと広がっていいアイテム。香り文化を啓蒙していきたい。地下鉄口から入ってすぐをフレグランスコーナーとすることで、香りでお出迎えしもっと香りを身近に楽しんでもらいたい」と述べ、好調のメゾンフレグランスを壁面で見せ、知名度の高い「ディプティック」をテーブルで展開する。フレグランスコーナーの拡張に伴い、Gスペースは新たに「グローバル メッセージ」と名称を変え、店舗中央に移設。「店舗の中央まで足を運んでもらうことが狙い。ここから店舗全体に向け発信することで、各ブランドへ誘導したい」という。

 「既存の化粧品ブランドの価値をさらに高め、より多くのお客さまに知っていただきたい。加えて、日本発信の本当に良いモノやコトを通じて、日本のお客さま、海外のお客さまの顧客満足を得ることで、世界へも発信するトータルビューティショップを目指す」と意気込む。

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