モデルのベラ・ハディッド(Bella Hadid)は、ライム病の治療に専念するためモデル活動を1年間休止していたが、実業家としての活動を本格化させているようだ。米「WWD」に、2021年から共同経営するノンアルコール飲料ブランド「キン ユーフォリックス(KIN EUPHORICS)」や自身のメンタルヘルスについて語った。
ベラは昨年、ソーシャルメディアへの投稿で彼女が長年患う感染症のライム病や慢性疾患の治療と、不安障害などメンタルヘルスの問題について思いを綴っていた。インタビューでは闘病生活について「苦痛に満ちたものだった。点滴を打ちながらZoomミーティングをすることもあった。仕事に復帰できるように自分の体を追い込もうとしたが、自分がワーカホリックだったことに気づき、今必要なのはただじっとしていることだと受け入れた」と明かし、アルコール摂取にも気を配るようになったという。
健康チャレンジ”ドライ・ジャニュアリー”とは?
欧米では1月に禁酒する健康チャレンジの取り組み“ドライ・ジャニュアリー(Dry January)”が広まっている。ベラは、「新年の31日間、体内からアルコールを完全に排除し、前向きなエネルギーで一年を始めることは自分自身と自分の精神のために非常に重要なこと」と語り、ベラ自身も「キン ユーフォリックス」を通じて実践しているという。さらに、ソーシャルメディアからも離れ、瞑想や読書に時間を費やしたといい、「人は競争やSNSの世界に身を置くと、本来の自分ではない“他人から見た自分”に依存してしまう。SNSから距離を置いたのは自分のために行った最良のことだった」と振り返った。
英市場調査会社IWSRや米マーケティング大手ニールセン・アイキュー(NIELSEN IQ)によると、低アルコールおよびノンアルコール市場は近年急拡大しており、米小売大手のターゲット(TARGET)は昨年12月、ホリデーシーズンに向けてノンアルコール飲料ブランドを集めたセレクションを販売した。参加ブランドの中で「キン ユーフォリックス」は最高売り上げを記録した。米スーパーマーケットチェーンのスプラウツ・ファーマーズ・マーケット(SPROUTS FARMERS MARKET)でのローンチも成功し、3月からはターゲットで常時販売する予定だ。
ベラの実業家としての顔
スピリチュアリティをコンセプトに掲げる「キン ユーフォリックス」は、カラフルなデザインの缶ドリンク4種“アクチュアル サンシャイン”“ライトウェーブ”“キンブルーム”“キン スピリッツ”と、特製スピリッツ2種“ハイ ロード”“ドリーム ライト”をラインアップする。ビタミンC、サフラン、ターメリック、アダプトゲンなどを配合し、肝臓と神経系を保護しながら免疫系や炎症の軽減をサポートする。
「キン ユーフォリックス」はジェン・バチェラー(Jen Batchelor)最高経営責任者(CEO)が17年に創設。インスタグラムで6000万人以上のフォロワーを抱えるベラは、単なる広告塔としてではなく、投資家とのビジネスプランの会議にも参加し、同ブランドのビジネスの隅々にまで関わっている。
ベラはパレスチナ出身で不動産開発業を営むモハメド・ハディッド(Mohamed Hadid)を父親に、オランダ出身の元スーパーモデルのヨランダ・ハディッド(Yolanda Hadid)を母親に持つ。「ファッションの世界は芸術的な面で成長できる。それが本当に好きだけど、自分の脳のビジネス的な部分を使う機会はあまりない。私の両親は素晴らしいビジネスマンで、私にとって自分の脳を駆使する場所にいられることは大きな喜びだ」と話した。ベラの現在のキャリアの中心は「キン ユーフォリックス」であり、「来年か再来年には、あらゆる家庭に『キン ユーフォリックス』のドリンクが置かれるようにビジネスを広げていきたい。すでに30ページ以上の商品アイデアを書き溜めている」と語った。