2024-25年秋冬シーズンのメンズ最大の潮流は、旧態依然の“男らしさ”を解放しようとする試みだ。数年前から加速しているジェンダーフリュイドのムーブメントが、いよいよメンズウエアの根幹であるクラシックにまで浸透し始めた。変わらないことが美学でもあるフォーマルやスーツにも、ウィメンズウエアの柔和なシルエットやソフトな仕立て、優美なムードを引き立てるカッティングやディテールなどを取り入れるブランドが増えている。(この特集は「WWDJAPAN」2024年2月5日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
ストリートブーム以降のメンズシーンは、テーラリングに別の要素を掛け合わせることで新しいスタイルを模索してきた。ストリートウエアが徐々に落ち着き始めた20年前後は、ラッパーのスタイルのように自由な感覚をドレスに融合し、パンデミック以降はホームウエアのリラックス感を加え、定番の再解釈が進む昨今はシルエットが多様化。ただ、“男らしい”クラシックにはルールが多く、世間に大きなインパクトを与えるような新しいスタイルを生み出すまでには至っていなかった。
潮目を変えた2人のコレクション
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