PROFILE: 山﨑貴三代/ヤーマン社長
スローガンに「美しくを、変えていく。」を掲げるヤーマンは、美容機器を日常的に使用するという新しい美容習慣を提案し、ヒット商品を世に生み出してきた。世界40の国と地域で展開し市場を拡大する中、グローバルブランドとしてさらに成長するための拠点として、初の旗艦店「ヤーマン ザ ストア ギンザ(YA-MAN the store GINZA)」を2023年11月にオープンした。(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月29日号からの抜粋です)
“ゴーインググローバル”の拠点が
昨年11月、銀座に完成
WWDJAPAN(以下、WWD):設立45周年の23年をどう振り返るか?
山﨑貴三代社長(以下、山﨑):11月に当社の全製品をそろえる初の旗艦店をオープンできた。長い間さまざまな場所を検討したが、世界から人が集う銀座、そして大通りに面した1階にこだわって物件を探し、われわれが目指す“ゴーインググローバル”の拠点となる場が完成した。1、2階で構成し、2階には顔専門のトレーニングジム「フェィス・リフト・ジム」を設け、長年の表情筋研究から生まれたメソッドを体感していただける。1階中央には、5148個のLEDをあしらった“美肌光ステーション”を設置。当社の美容機器に使用するLEDを全身で浴びることができる。
WWD:22年に研究開発拠点「表情筋研究所」を開設したが成果は?
山﨑:表情筋研究所は5年で100億円の投資が決定しており、昨年はスペースも2倍に拡張し研究者の数も増えた。さまざまな知見を持つ研究者がチームに加わり、検証実験環境も整備したことで、それまで外部に依頼していた細胞試験なども自社でできるようになり、研究スピードが上がった。美容機器のテクノロジーだけでなく、化粧品との融合など、機器と化粧品の両方を展開するわれわれにしかできない開発を進め、新たな潮流を作るのが使命だと思っている。旗艦店「ヤーマン ザ ストア ギンザ」のフェィス・リフト・ジムでは肌データを収集し、表情筋研究所にフィードバックして、そこから新たな研究開発につなげる。旗艦店オープン時に先行発売した、ウエアラブルLED美顔器“ブルーグリーンマスク”や、6月に発売した愛用スキンケア化粧品を最適な波形で浸透させるAI美顔器“ハケイ”は表情筋研究所の研究成果から生まれた。
WWD:商品やカテゴリーで、23年の売り上げをけん引したのは?
山﨑:美顔器は10万円以上の高価格帯のものが好調だ。美顔器市場全体を正確な数字で把握するのは難しいが、23年は、店頭は前年比30〜50%増で伸長している印象だ。化粧品にお金をかけるより美顔器に投資、という動きが見られる。22年はヘアケア製品やオーラルケア製品、メンズシェイバーなど、カテゴリーを横へ広げ順調に推移した。今後はこれをどう進化させ、深めていくかが重要だ。
WWD:目元のリフトアップにフォーカスした11月発売の美顔器も今までになかった製品として話題を呼んでいる。
山﨑:日本初※1の伸びる電極シートによる目元用美顔器“デザインリフト”は大変好評をいただいている。この製品は、高い伸縮性と通電性を両立した新素材「ストレッチフィットシート」を採用し、抜群のフィット感がEMS(電気刺激)で眼輪筋や側頭筋にアプローチするもの。高い技術力を持つ日本ならではの新素材と出合い、当社が独自研究により美容機器に応用し誕生した。「あっ!」と驚く提案をし続けていることがわれわれの強みだ。
WWD:“ゴーインググローバル”を掲げているが、海外事業の進捗は?
山﨑:23年6月に、ウエアラブルEMS美顔器“メディリフト プラス”が米国FDA(アメリカ食品医薬品局)の認可を取得し、秋にECやメディカルスパでの展開をスタートした。海外事業は、今後これがどう推移していくかが非常に重要になる。また中国では、Tモールの11月11日(独身の日)セールでブランド別美容機器部門販売実績2位を獲得した。処理水問題などの影響もあり中国ブランドに1位を譲ったが、中国では15年からブランディングに注力し今に至り、「美容機器を買うならヤーマン」との声を多くいただいている。今後は現地百貨店への出店などオフライン展開にも力を入れていく。国によって主戦場となるチャネルは異なるが、海外ビジネスは米国と中国がカギとなる。
WWD:サステナビリティ分野での取り組みはどうか。
山﨑:サステナブルな取り組みの一環として、旗艦店「ヤーマン ザ ストア ギンザ」では、当社製品以外も含めて使わなくなった美顔器やヘアドライヤーなどの美容機器の回収プログラムをスタートした。不要な美容機器を持ち込んでくれた人には、購入金額から割り引きするサービスを提供する。肌や髪の悩みは年齢により変化し、必要なケアや商品も変わる。このプログラムが使っている美容機器の買い替えや最新機種に興味を持つきっかけになればと願っている。
WWD:24年の目標と実現のための具体的な施策は?
山﨑:“ゴーインググローバル”を推進し、25年に売上高500億円を目指す。その達成のために一番重要なのは、メーカーとして全身全霊でモノ作りに取り組むこと。常にお客さまのニーズを深掘りし、メーカーとして提供するべき真実を追求し、“本物”を作り続けてお客さまに届けるのがわれわれの仕事だ。“本物”というのは、志と独創性溢れる製品のこと。24年も日本発の美容機器&化粧品メーカーであるわれわれにしかできない大型新製品を発表する予定なので、ぜひ期待してほしい。
※1 日本マーケティングリサーチ機構調べ。調査概要:2023年10月期、日本初であることの証明・検査調査
会社概要
ヤーマン
YA-MAN
1978年に設立。半導体検査装置の輸入・販売からスタートし、美容機器分野に事業を拡大。体内脂肪重量計をはじめ、特許技術を搭載した画期的な美容機器を開発。新しい美容習慣の創出を目指し、美容機器業界をけん引する。2007年にミネラルコスメブランド“オンリーミネラル”の販売を開始。20年には顔専門トレーニングジム「フェイス・リフト・ジム」をオープン、22年には研究開発ラボ「表情筋研究所」を本社内に開設した。23年11月に初の旗艦店となる「ヤーマン ザ ストア ギンザ」をオープン。同店を拠点に海外市場をさらに拡大する
ヤーマン
0120-776-282