「WWDJAPAN」には、編集統括の向、副編集長の五十君と牧田、デスクの林、そして記者の横山や本橋ら、一般紙や業界紙出身の記者が大勢います。そんな彼らは共感してくれると思うのですが(多分w)、新聞記者の「1文字でも、削れる言葉は削る」という思いは、もしかしたら普通ではないのかもしれません。
例えば、社会部の事件記者時代は「●●容疑者、再逮捕へ」なんてタイトルが付せられるだろう記事を送ろうものなら、部長やデスクから「『へ』は取れないワケ?」なんていう電話がかかってきました。新聞記者として、「●●容疑者、再逮捕」と断定できるくらい取材していないのではないか?だったらもっと取材して、「へ」を取るべきではないのか?という指導です。めんどくさい先輩と思われているかもしれませんが、ゆえに私は今も、「売却へ」「退任か」などの記事には敏感です。「へ」や「か」は取れないものか?と考えます。一方で特にXなどのSNSに触れていると、世間はこうした断定や言い切りに敏感です。新聞社の記事や、新聞記者のツイートが炎上したり、炎上しかかったりの場面を目にすると、感覚の違いを覚えます。でも、我々は断定できるほど取材を重ねるべきだし、ある程度強く言い切れるほどの知識を蓄えている自負があります。そんな時は、たとえ少し厳しく聞こえても、私は強く主張したい。強く主張できることも含めての媒体価値と考えています。
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