ビューティ
特集 CEO2024 ビューティ編

【プラザスタイル 鈴木努カンパニーエグゼクティブ プレジデント】未来に向けて「突き抜ける」

PROFILE: 鈴木努/スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー カンパニーエグゼクティブ プレジデント

鈴木努/スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー カンパニーエグゼクティブ プレジデント
PROFILE: (すずき・つとむ)大手ファッション企業でブランド責任者や支店長、マッシュスタイルラボで執行役員などを歴任。2022年8月にプラザスタイル カンパニーに入社し、23年6月から現職 PHOTO : SHUNICHI ODA

スタイリングライフ・ホールディングスの社内カンパニーであるプラザスタイルは、ライフスタイルストア「プラザ」を展開し、世代を超えてファンを獲得している。2023年6月から舵取りを始めた鈴木努カンパニーエグゼクティブ プレジデントの下、増収増益と安定した業績を残すが、24年は攻めのフェーズとして「突き抜ける」とさらなる飛躍を宣言する。(この記事は「WWDJAPAN」2024年1月29日号からの抜粋です)

守りの姿勢から脱却し
24年は新事業領域を拡張

WWDJAPAN(以下、WWD):昨年6月にトップに就任して第一に取り組んだ課題は。

鈴木努カンパニーエグゼクティブ プレジデント(以下、鈴木):プラザは安定した売り上げが続いていたがゆえ、社内全体が守りの姿勢になっていた。そこで最初に社内の雰囲気を変えることに着手した。「失敗してもいい」「挑戦してもいい」というムードを作ることに力を注いだ1年だった。これまでの「プラザ」の枠を取っ払い、ただ商品を売るだけではなく、人々の暮らしをもっと楽しくハッピーにするお手伝いをするのが、われわれの役目であると社員には伝え続けている。もちろん一方通行に伝えるだけでは意味がないので、朝は全部署を回って笑顔で挨拶するなど基本的なことを大切に社員とコミュニケーションを頻繁に取るようにしている。また、働きやすい環境作りの1つとして日本ロレアルの「#髪色自由化プロジェクト」に賛同。昨春から販売員スタッフのヘアカラールールを見直した結果、スタッフの職場満足度が上がった。現在は満足度76%と高水準を記録しており、これは今の当社を物語る数字といってもいいだろう。

WWD:その中で23年の商況は?

鈴木:外出機会の増加で、メイクアップアイテムを中心に化粧品の売り上げが伸長した。また、記録的な猛暑の影響も後押しし、これまで外出自粛の影響で買い控えがあった日傘をはじめ、キャップやサングラスなどファッション雑貨の動きが顕著だった。その結果、プラザスタイル全体で23年4〜9月期の売上高は前年同期比12%増と伸長し増収増益で、コロナ禍前の水準までほぼ回復した。

WWD:23年は消費者の需要に変化があったか。

鈴木:プラザの強みはファッション雑貨からコスメ、フードまでライフスタイル全般に対応していることだ。その時々のニーズに合わせてMDを変えているが、いまは売り上げ全体の3分の2を占める化粧品の売り場を広げている。プラザでは化粧品の先行販売や限定品を多く扱っており、自分用に加え友人の分も購入する傾向が強い。また、再会する友人への手土産として選ぶ人も多く、プチギフトのニーズが高まっている。

WWD:時流が変わった中で24年に注力することは。

鈴木:23年は意識改革の土台作りを行ったが、24年は攻めのフェーズとして「突き抜ける」宣言をする。スタイリングライフグループは、成長戦略として新事業領域への挑戦を掲げている。プラザは一言でいうと仕入れビジネス。どこでも買える商品なら、消費者は1円でも安く他店舗やECで購入する。ならば、プラザでしか買えない商品を増やせば、おのずと足が向いてくれる。そこで、今年はプライベートブランド(PB)の開発に本腰を入れる。秋には初のPBとして化粧品とルームウエアのブランドをローンチする予定だ。ゆくゆくはブランド単体で商業施設などへの出店を狙うべく、ブランドネームには「プラザ」の冠を付けずに育成していく。もう1つの成長戦略の柱として、ライセンス事業を強化する。「バーバパパ」「スポンジ・ボブ」「ケアベア」「スージー・ズー」など10種のキャラクターライセンスを保有しているが、キャラクタービジネスはさらなる成長の可能性が期待できる。キャラクターの魅力を伝え、さらにはファンのタッチポイント創出のために各キャラクターのオフィシャルストアを構想している。年内にトライアルでキャラクターショップをオープンする予定だ。

WWD:事業ポートフォリオを再構築する。

鈴木:現在の売り上げ構成は、プラザの直営店事業とフランチャイズ事業で大半を占め、残りをライセンス事業と大きく偏っている。全体売り上げの30%をプラザ以外で賄うためにライセンス事業の強化に加え、海外ブランドのM&Aも積極的に挑戦したい。また、プラザの売り上げ構成比も30%はPBにしたい。さらに海外展開にも再度挑戦し、プラザスタイル カンパニーの10%を海外売り上げにするのが目標だ。

WWD:具体的な施策は。

鈴木:従来のプラザの売り場面積は約264〜330㎡というフォーマットがあったが、昨年10月に赤坂Bizタワー1階にオープンした新業態「プラザ ニューススタンド」は約83㎡とコンパクトながらも成功している。同様の広さであれば、地方百貨店や駅ナカなどあらゆる場所に出店のチャンスがある。また、送料のネックもありEC化率が低いという課題もあったが、「プラザ ニューススタンド」ではECで注文した商品を同店で受け取ることができる“クリック アンド コレクト”を導入した。この新サービスの普及にも努めていく。2月にはプラザのリブランディングを行い、新ミッションも発表する。社長就任2年目はPBとライセンスを軸に、10年先の未来に向けて突き抜けていく。

会社概要

スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー
PLAZASTYLE

1966年創立。スタイリングライフ グループの雑貨小売事業を展開する。同年、米国スタイルのドラッグストアとして、東京・銀座のソニービルに日本初の輸入生活雑貨店「プラザ」(当時ソニープラザ)第1号店をオープン。「たのしさ 探そう 手渡そう。Always News」をスローガンに掲げ、買い物体験を通して消費者の楽しさをシェアするサポートを行う。現在は直営店事業、フランチャイズ事業、ライセンス事業を展開

問い合わせ先
スタイリングライフ・ホールディングス プラザスタイル カンパニー
お問い合わせフォーム