現時点ではメインのダイヤモンドのみが対象となるが、本コレクションでは、採掘された場所から、選抜・研磨・セッティングされた場所に至るまで、ダイヤモンドが通過したすべての工程に関する情報を含む証明書が付いてくる。この証明書には、LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)などのラグジュアリー企業が共同で開発したオーラ・コンソーシアム・ブロックチェーン(Aura Consortium Blockchain)の技術が使用されている。さらに、所有者は自分のジュエリーに使用されたダイヤモンドの原石を紹介するビデオにもアクセスすることができる。
2023年に発表されたG7およびEUによるロシア産ダイヤモンドの輸入禁止措置の一環として、トレーサビリティーに基づく検証および認証の実施期限が9月1日に迫っている。「ルイ・ヴィトン」は、これに間に合わせる形でいち早くダイヤモンドのトレーサビリティーを詳細に開示することに踏み切ったブランドの1つだ。
「ルイ・ヴィトン」のトレーサビリティに関する取り組みは、5年の歳月をかけて考案された“LV モノグラムスター”カットに合わせて開発された。“LV モノグラムスター”カットは21年にハイジュエリーコレクションとして登場した。1896年にジョージ・ヴィトン(George Vuitton)が考案したフラワー・モノグラムにインスパイアされたもので、制作には高度な専門技術持った職人を必要とする。このカットは米国宝石学会にも認定され、GIA鑑定書にも記載される。
53のファセットを持つ“LVモノグラムスター”は、カットに通常より40%長い時間を要する。また、従来のダイヤモンドカットの同サイズのものと比べて20%宝石が大きく見えるようにカットしているという。“LVダイヤモンド”のファインジュエリーコレクションの価格は、1000ユーロ(約16万円)以下から、最大6桁台まで幅広く取りそろえる。